1969年発売『夜明けのスキャット』
109万枚を超えるミリオンセラー
当時由紀さおりは21歳。
シングルレコードのジャケットからもその美しさが伝わりますね。
後の2009年にCDシングル化されて発売されました。
タワーレコード限定発売だったにもかかわらず、109万枚を売り上げるミリオンセラー曲に。
その火付け役となったのは深夜のラジオ番組、ともいわれています。
今回はこの『夜明けのスキャット』をご紹介します!
再スタート曲
由紀さおりの『夜明けのスキャット』は、実は彼女の再スタートの曲でもありました。
どういうことかと言うと、彼女のデビューは1965年「安田章子」(本名)としてでした。
彼女のお姉さんと共に活動し、歌謡曲シンガーとして華々しいデビューを飾ったもののヒットに恵れなかった時代。
また、デビューしているにもかかわらず修行としてキャバレーやスナックで歌うこともあったそうです。
そしてその後、事務所をキングレコードからユニバーサルミュージックに変え、芸名も変更。
それが「由紀さおり」誕生のきっかけだったのです。
そして第一弾としてデビュー曲を飾ったのがこの『夜明けのスキャット』でした。
当時この楽曲は深夜ラジオのオープニングテーマとして制作されたため、リリースする予定はありませんでした。
しかし、あまりにもリスナーからの問い合わせが殺到したことにより急遽リリースが決定したそうです。
詳しくはこちらでご確認ください!
群馬県桐生市に生まれ、3歳で横浜市へ移る。少女時代から姉の安田祥子と共に本名の「安田章子」名義で童謡歌手として活躍。1965年にキングレコードから本名名義で「ヒッチハイク娘」にて歌謡曲の歌手としてデビューするが、ヒットに恵まれず停滞の時代に入る。童謡歌手時代からの仕事であるCM曲やテレビ・ラジオ主題歌の吹き込みや、「大人の世界を歌えるように」という修行の意味合いもあったキャバレー・ナイトクラブへの出演を行いながら雌伏の時を過ごす。
映像で見比べてみよう
1969年当時の映像がYouTubeにアップされていました!
由紀さおり本人が歌う『夜明けのスキャット』を当時のものと2000年になってからのものとで比べてみます。
声色や歌い方に変化はあるでしょうか?
1969年
まず見ていただいたのは、1969年当時の映像です。
21歳とは思えない大人っぽさに驚きます。
透明感のある歌声は凛としていて、切ない女性の心情が伝わってくるようですね。
意味を持たない歌詞にも関わらず、聴き入ってしまうのは彼女の魅力故でしょうか。
2009年
こちらはテレビ番組で披露した際の『夜明けのスキャット』を歌う映像です。
当時「由紀さおり」は61歳。
その年齢とは思えないほどの若々しさ。
そして美しさは健在です。
歌を聴き比べるとわかると思いますが、こちらの方が深みのある歌い方だと思います。
流れた年月にはかないませんね(笑)
大人の女性が歌う『夜明けのスキャット』は愛する深さを物語っているようです。