楽曲を構成する2つのパートが放つ説得力

サビに差し掛かって聴かせるのは残響が際立つ、静寂を湛えたサウンド。

それまで耳を覆っていた歪んだシンセの密度がなくなり、電車がトンネルを抜けたときのような解放感を覚えます。

サビが終わり元の音像に戻ると以降はビートも加速していき、クライマックスへと運ばれていく楽曲

大きく分けて2つのパートからなるシンプルな構成にして抜群の説得力を持っています。

いえ、変に小細工をしないシンプルな構成だからこそ、ストレートに伝わるのかもしれませんね。

光と影の演出で魅せるMV

それではMVをご覧いただきましょう。

暗闇を照らすおぼろげな光の中、映し出される踊る女性2人のシルエット。

それと入れ替わりで映されるただ淡々と演奏するメンバーの姿も幻想的で引き込まれますよ。

歌詞に込められたのはアルバムで示される音像への想い?

「Reason of Black Color」がどんな楽曲なのか堪能していただいたところで、この記事の本題です。

ここから、この曲で歌われている歌詞を見ていきましょう。

筆者の解釈ではこの曲で歌われているのは、アルバムで示される音像に辿り着いてのバンドの心情を表したもの。

しかしその内容も詩的かつ抽象的なので、別の解釈もあって然りでしょう。

これもその一例として参考にしていただければ幸いです。

聴いたこともないような音像を世の中に提示する!

言葉を失ったケモノのように
裸足で駆け出した君は何処へ
意味を持たない声で
世界を威嚇する僕らは
どこの誰に向かって
祈ればいい?

出典: Reason of Black Color/作詞:Kohei Fukunaga 作曲:Kohei Fukunaga

この部分の歌詞は、音楽を世の中に向かって発信する自分たちを表したものではないでしょうか。

「言葉を失ったケモノ」「裸足で駆け出した」という言葉から、音楽に夢中で打ち込む彼らの姿が浮かんできます。

「意味を持たない声」というのは自分たちの楽曲のこと。

といってもこれは獣に例えるからこその言い回しで、もちろん楽曲に込められたメッセージがないという意味ではありません。

言い換えるとすれば「自分の中から湧き上がって来た音楽で世界に挑戦する」といったところでしょうか。

そして「どこの誰に向かって祈ればいい?」という言葉は「自分たちが何者かわからない」ということを感じさせます。

これは「今まで聴いたこともないような音楽を奏でる」という意味が暗に込められているのではないでしょうか。

バンドが直面した壁

煙を吸い込んで鳥になった
街を見下ろして耳を塞いだ
君の目の前に立つ
分厚いコンクリートは
降り出す雨に打たれ
黒く濡れた
黒く濡れた

出典: Reason of Black Color/作詞:Kohei Fukunaga 作曲:Kohei Fukunaga

この部分で歌われるのは、多くの人に楽曲を届ける中でバンドが直面した壁を表すものではないでしょうか。

まず鳥になって街を見下ろす彼らは、今までより多くの人に楽曲を届けられる立場になったということを物語ります。

そんな彼らの目の前に現れたのは、分厚いコンクリートの壁。

これは多くの人の心に楽曲を響かせることが、想像よりもずっと難しかったというようなニュアンスを感じさせます。

その壁が染まった黒という色はメンバーが自分の中の色を濃く示し合い、混ざった結果を表すもの。

染めたのが雨だということも、雨のパレードというバンド自体を表しているように感じさせます。

このことが物語るのは壁を打ち破ったのは、結局自分たちの内面から湧き上がってきたものだったということ。

まさに今回のアルバムが多くの人の心に届くことを確信しているかのような内容になっています。

新境地に辿り着いた感覚

轟く波の音が時間の軸も揺らしてしまいそう
知らない感情にぶつかった僕たちは涙した

出典: Reason of Black Color/作詞:Kohei Fukunaga 作曲:Kohei Fukunaga

この部分が表すのは、自分たちの中の色を存分に発揮した制作が時間を忘れるほど没頭できるものだったということ。

そこから生まれた音像は彼らからしても斬新なものだと感じたのでしょう。

そこに辿り着いた気持ちを「涙した」という言葉で表しています。

自分たちの音の新境地に辿り着いた感覚というのは、それほど得も言われぬものがあったのでしょうね。