見たことのないものを見たいの…と
君が言って
街灯ひとつもない
夜に捜しに来た
まだ恋が足りないから
想いのすべてを伝えたいよ
まだ愛にはならないなら
今以上抱きしめるよ
出典: 蛍/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志・Safari Natsukawa
『蛍』という題名がすでに儚さを表現している一曲です。
2018年6月6日にリリースされたアルバムに収録されている曲になります。
夏になると、フワッと現れる『蛍』。
男女の儚く、そして危うい気持ちをこの『蛍』とかけているんですね。
はっきりとした気持ちは語らず、静かな大人の愛を歌った曲です。
恋愛未満の二人が暗闇に浮かぶ蛍の灯を追うように、恋に導かれていくような情景が浮かびます。
未知の世界に足を踏み入れてみたいという意味深な言葉も魅力的です。
冒頭の囁くような歌声から蛍の様子を歌う高音の歌声に、この恋の切なさが感じられて涙がホロリとこぼれます。
第五位 Unfair World
「あなただけは信じてる」
呟いては君は目を逸らす
何を見ているの?と
僕が問いかけたなら
「…星を見てる」そう言った
出典: Unfair World/作詞:小竹正人 作曲:Mitsu.J for Digz,Inc.Group
すべての歌詞を読み解いていくと、主人公である「雪平夏見」が頭に浮かびます。
愛の歌ではありますが、男女のそれではありません。
「愛しい人」に向けた曲というイメージです。
傷ついている女性に対して、一生懸命にいたわりの言葉をかけ続けます。
題名である『Unfair World』とは「不公平な世の中」という意味。
まさに映画「アンフェア」の世界観にぴったりの曲です。
信じていたものに裏切られ、次々に大切なものを失っていく…。
それでも大切なものを守るために闘い続ける、そんな様子を愛しむような内容とも重なります。
第四位 リフレイン
僕たちは道のどこかで
見過ごしてしまったんだ
愛しさの曲がり角と
お互いの後ろ姿を…
出典: リフレイン/作詞:Yasushi Akimoto 作曲:Yuta Nakano
今は別々の道を歩いている男女を歌った曲です。
雨の「レイン」とリフレインという言葉の「レイン」を掛けているんですね。
男性は雨にうたれながら、繰り返し別れた女性の事を思い出すんです。
何か「雨」とシンクロする出来事があったのでしょう。
この曲は、その歌詞の世界観も素晴らしく、せつないギターの音色が響いてなんとも涙を誘います。
「リフレイン」は「繰り返し」という意味で多く使われています。
一方別の意味では「終わりにする」という意味もあるのです。
だからこそこの楽曲からは切ない響きが伝わってくるのかもしれませんね。
誰にでも忘れられない思い出や忘れられないあの人がいるのではないでしょうか。 もう戻れないと分かっていながらも、やりなおせたら…という気持ちが切なすぎます。
第三位 C.O.S.M.O.S.~秋桜~
出逢った事実(こと)がすでに
哀しい運命だったとしても
あなたも僕もきっと
傷ついてしまう…それでも
あなたの情熱の嵐に咲いた秋桜
激しさを涙に閉じ込め
風に吹かれ 雨に撃たれ
綺麗に儚く咲いてる人
出典: C.O.S.M.O.S~秋桜~/作詞:Masato Odake 作曲:Hiroki Sagawa(Vanir)・Ryosuke Saito
痛いほど愛し合う男女の歌です。
かといって、相手のことを傷つける事はありません。
それぞれに燃える様なその想いを、心に隠しながら愛し合います。
大人の恋愛の歌といったところでしょう。
誰にも打ち明ける事ができない状況が、よりこの男女を燃え上がらせます。
激し過ぎる想いがその身をジリジリと焦がしていく、そんな情熱的な曲です。
楽曲においての情熱的な恋との出会いといえばなんとなく「真夏」のイメージがあります。
ですがここでは秋の気配の中で咲きほこる「秋桜」に例えているのです。
その可憐で切ない様子が大人の恋を思わせます。
男性にとって、その女性が風に吹かれても強く可憐な、秋桜のように見えたということでしょう。
秋桜も、その男性のためだけに咲きたいと願っていました。
でもそれは叶わないことだったのです。
愛してはいけない人を考えてしまう…。
狂おしい程にお互いが美しく映ってしまうのでしょう。
切ないファルセット・ヴォイスに思わず泣いてしまいます。
第二位 Powder Snow
そっと触れた指が かじかんで…
だからキミの肩を 抱き寄せたよ
ぎこちない僕のこと 隠すように
真っ白な粉雪が 降っているよ
出典: Powder Snow~永遠に終わらない冬~/作詞:Masato Odake 作曲:Daisuke Kahara・SHIKATA
歌い出しの部分です。
彼氏がいる女性を好きになってしまうという歌ですね。
もうこれだけでも泣けちゃいます……。
男性は女性に寄せる想いを伝えられません。
それはそうですよね。
相手の女性にはきちんと好きな男性が他にいる訳ですから。
でもその女性はとても心の優しい人なんでしょう。
困惑しながらもその気持ちをそっと受け止めるんです。
タイトルのとおり、粉雪が降り続ける無音で真っ白な情景が浮かんできます。
言葉もなく見つめ合いそっと抱き寄せるけれどそれは許されないことなのです。
もちろんそんなことは分かっている二人。
このまま時間が止まって欲しいと願い、少し震えながら寄り添う姿が思い描けます。
こんなに静かで、優しく、強い想い、それを透明感のある歌声がますます切なくさせる楽曲です。
許されない恋の歌が立て続けにランクインしました。