ハードロック色が強く出たアルバム『Brotherhood』の収録曲

テーマはズバリ”ロック”

「Brotherhood」は、1999年にリリースされたB'zの同名アルバム『Brotherhood』の3曲目に収録されています。

前作『SURVIVE』で見せたハードロック感が、このアルバムで結晶したような、B'zのこれまでの作品の中でも群を抜いてハードロック色が色濃く出た作品となっています。

松本孝弘のギターサウンドも一層ハードに、まるでオジー・オズボーンのギタリストを務めるザック・ワイルドばりの歪みよう。

パワーコードの刻みなどは、まさにザックを感じさせます。

またこのアルバムでは、前作まで必ずといっていいほど使用されてきた、打ち込みは姿を消しました。一切使用されていません。

初期のB'zのサウンドには打ち込みが欠かせず、時期によってはギターサウンドとヴォーカル以外は全て打ち込み、というのも珍しくなかったことを考えれば、かなりの変化といえるでしょう。

松本孝弘が語るこのアルバムのテーマは「ロック」。

その言葉通り、これまでになくロック色、ロックを通り越してハードロック一色の作品となりました。

この後現在までリリースされている作品を見ても、ここまでロックを前面に押し出したものは見当たらない、といってもいいのではないでしょうか。

”絆”がテーマの「Brotherhood」

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ファン投票1位の人気曲

”Brotherhood”は、このアルバムの前年に発売されたベストアルバムの大ヒットを受け、改めてB'zを愛してくれるファンと、スタッフへの感謝の気持ちから生まれたキーワードということ。

そのアルバムコンセプトが最も顕著に表れたのが、この「Brotherhood」だといえるでしょう。

ファンの人気投票においても1位を獲得と、シングルカットされていないアルバム曲ながら、絶大な人気を誇る曲でもあります。

東日本大震災後の伝説のTVパフォーマンス

この「Brotherhood」はアルバムリリース時に出演した”ミュージックステーション”において披露されましたが、リリースから約12年後、2011年4月の同番組でも披露されました。

東日本大震災の後に当たります。

新曲である「さよなら傷だらけの日々よ」とともにもう一曲の枠を用意されていたB'zは、もともと演奏するはずだった予定の曲を変更して、この「Brotherhood」を披露しました。

稲葉浩志”離れていても繋がっている仲間との絆みたいなもの”をテーマに作詞したというこの曲、今やるならこれだろうということになったということ。

また当日行われたパフォーマンスは素晴らしく、この日のためだけにアレンジが施され、稲葉浩志の息の続く限りのロングシャウトやハミングも熱のこもったものに。

とてもテレビでの披露とは思えない、ライヴでもなかなかないほどの本気度での稲葉浩志のその姿、その声は、SNS上でも多く賞賛の声が挙がるほど。

松本孝弘のギターソロも、初披露のこの日オリジナルバージョン。

歌詞内容を被災者に寄り添ったものに変更して歌うなど、まさに被災地との絆を感じさせてくれる熱演でした。

その反響といえば、この放送のあとB'zの公式サイトがアクセスが殺到して落ちてしまうほどでした。

この時のパフォーマンスはファンの間でも、伝説の語り草となっています。

「Brotherhood」の歌詞の世界

ここからは、「Brotherhood」の”絆”を感じさせる歌詞を見ていきましょう。

朝帰りで疲れ果てた体を 床に投げ出して

今日あった最悪なNews ハッピーなNews
思い浮かべていけば また目がさえて眠れない

Brother 生きていくだけだよ
ためらうことなど何もないよ 今更
どうか教えてほしいんだ
苦しい時は苦しいって言ってくれていいんだよ
Baby, we'll be alright, we'll be alright

出典: Brotherhood/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

毎日を暮らしていく上で、いろんなことがあります。

いいこともあれば、もちろん悪いことも。

そんな毎日を、誰もが過ごしているのです。

自分の置かれている場所で、一生懸命誰もが頑張っていくのです。

そうやって、生きていくのです。

でも一人で勝負していても、苦しくなる時は誰にだってあります。

そんな時、いつもそばにいることはなくても、自分に弱音を吐いてほしい、そう願います。

辛い時は、教えて欲しい、それが繋がりってものだろうと語りかけます。

だから、大丈夫だから、一人じゃないから、と。

うまくいってるかい なかなか大変だよな 全く
こっちだって毎日クタクタになってる

たまにはしょーもないハナシで盛り上がろう
言いたいこと言えるから いつも最後は笑顔で別れられる

Brother 生きていくだけだよ
ためらうことなど何もないよ 今更
同じ道をゆくわけじゃない
それぞれの前にそれぞれの道しかないんだ
Baby, we'll be alright, we'll be alright
We'll be alright

出典: Brotherhood/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘

遠くにいる相手に、近況を窺うように語りかけます。

みんな、それぞれの居場所で、大変な毎日を過ごしています。

いつもは会えなくても、それも久しぶりに会った時には、腹を割って何でも言える。

そういう絆があるからこそ、離れていてもお互いのことを信用できるのです。

自分で決めた道を進んでいくのに、今さらためらうことなどあろうはずもありません。

それが、例え仲間とは道が別れることになろうとも、です。

でもそれは、当たり前のこと。

人はみな、同じ人生を歩むわけではないのですから。

それぞれの選んだ道を、しっかりと踏みしめて生きてゆく、それが人生です。

それでも、離れていても、何かあれば飛んでいく、だから大丈夫だ、と歌います。

TVで歌詞が変更されたのはココ!

ちなみに上記の東日本大震災後のTVパフォーマンスでは、この部分の”こっちだって毎日~”の歌詞が変更されました。

”誰もが毎日~”と歌われており、より人々に寄り添った内容となっています。

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