生み出し続けられる音楽…そしてサンプリングという手法へ

何千年も前から音楽は人に愛され、数々の楽曲がこれまでに生み出されてきました。

その歴史を辿れば際限なく、辿り切れない時代にまで及んでいます。

世界最古の歌として知られているものは1950年代のはじめ現在のシリアのウガリットから出土した約3400年前の粘土板にフルリ語で書かれていたものである。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/古代の音楽

この何千年という時間の中で、一体どれほどの楽曲が生み出されてきたというのでしょう。

それは想像するのも気の遠くなる数。

そして数えきれないほどの楽曲が生み出されても尚、今もまだ新たに楽曲が生まれ続けていると考えると人間の想像力の計り知れなさに驚かされますね。

生み出すのではなく再度取り入れるという方法へ

そうやって数多くの楽曲が生み出されていく最中、アーティストたちは生み出すだけではなく、良いものを再度取り入れるという方法も編み出しました。

そう、サンプリングという手法です。

ヒップホップやR&B、ポップスにおけるサンプリングとは、既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/サンプリング

例えば歌手になりたいと思い立つ人というのは、きっと憧れの歌手の歌を真似することから始めるのが大半でしょう。

楽器を始める人にしたって、きっと同じです。

このことから音楽の大半は先人たちへのリスペクトから始まっていると言って過言ではありません。

サンプリングというのは、まさに先人へのリスペクトが形になったもの。

既に存在している数多くの名曲の力を使って新たな曲を生み出すというのは、ミュージシャンが憧れの人を真似て技を習得することと非常に似ています。

そう考えれば、ここから新たに名曲が生まれるということも道理だというわけです。

サンプリングを使ったアンサーソングで独自の路線を切り拓いたRSP

RSP【さくら ~あなたに出会えてよかった~】歌詞の意味を解説!空から見守る想いは心にそっと寄り添うの画像

そんなサンプリングを売りにした楽曲で独自の路線を切り拓いたユニットRSP。

彼女たちが一世を風靡したのは、単に名曲のサンプリングを前面に押し出したことだけが理由ではありません。

RSPはサンプリングで名曲の面影を再現するだけではなく、その曲に込められたメッセージに返事を書いたアンサーソングという形にすることで聴く人に衝撃を与えたのです。

これは自らが属するR&Bというジャンルの文化に則った斬新なアイディア。

面白いことを考える人が居たもんだなーと、当時は感心させられたものでした。

高野健一の「さくら」へのアンサーソング「さくら~あなたに出会えてよかった~」

「さくら」を2曲聴き比べ!

今回そんな彼女たちの楽曲から紹介するのは2009年2月25日にリリースされた6thシングル「さくら~あなたに出会えてよかった~」。

シンガーソングライター高野健一が2007年5月23日にリリースした「さくら」のアンサーソングとなっています。

こちらが原曲の「さくら」。

高野の歌声にしても、それを彩るトラックにしても柔らかで温かい印象。

その柔らかさが楽曲の悲しさにまた華を添えていますね。

想いをそのまま吐露したようなサビの歌詞は、ストレートな分感情に直に訴えてきます。

そしてこちらがアンサーソング「さくら~あなたに出会えてよかった~」です。

原曲へのリスペクトが表れていて、こちらも柔らかな印象で歌い上げられています。

こちらの方が少し前向きなニュアンスを感じるのもまた印象的ですね。

「さくら」は死んでしまった女性?それとも…