「BEATLESS」の世界を訪問
「Truth.」という楽曲をより深く知ってもらうためにアニメ「BEATLESS」についても紹介しましょう。
原作は長谷敏司さんのSF小説で2012年に単行本化されています。
アニメは2018年1月から毎日放送で放映されているほか、Amazonプライム・ビデオでも配信されています。
全24話となる予定でしたが本編は6月29日放映の20話目で一旦終了。
公式発表で残り4話分をそれに続く物語「BEATLESS Final Stage」として2018年9月に放送する予定と発表しています。
近未来の「ヒトとモノ」の関係を投げかけるストーリー
舞台は22世紀初頭。
人間の知能をはるかに超える超高度AIが生まれ、そのAIが人類に造ることができない究極のヒト型ロボットを作り上げてしまいます。
世界をコントロールする力を持つそのロボットとひとりの少年の出会いからストーリーは展開。
そして、二人はそれぞれの存在をこれまでの常識とは違うものへと育んでいきます。
その二人があらゆる価値観や思惑に押しつぶされそうになりながら「ヒトとモノ」を超えた新たな関係を構築していきます。
現実でも逃れることのできない近未来の問題を取り上げたスケールの大きな作品です。
「Truth.」の歌詞を紹介
「BEATLESS」の世界を知ってもらった上で「Truth.」の歌詞を見てみましょう。
ホントのことはわからない
何がニセモノで何がホンモノ?
ホントのことはわからないけど
キミにふれたい キミ守りたい
それだけで十分だから
出典: Truth./作詞:MARiA 作曲:toku
ロボットがニセモノで人間がホンモノなのか。
人間より優秀なロボットこそがホンモノになって、人間がニセモノになる世界に移るのか。
それともボクが思っていることすら、目の前にあるこの世界すら、それが何であるのかなんて分からない。
歌い出しの冒頭でこの歌の最も大事な核心が投げかけられています。
アニメの主人公の少年にとっては人間がホンモノでロボットがニセモノなんていう固定概念はもうそこにはありません。
どっちが正しくてどっちが間違っているのかなんて「自分は分からない」という答えを導き出しています。
未来永劫変わらず、あらゆる対象から見て公正で公平な真理なんてどこにもないんです。
そもそもホントなんてあるのか。もしかして目の前に見えているこの世界だって幻なのかもしれません。
打ちのめされ、その度に救い救われてきた自分にとって、絶対不変の想いだけが残っていきます。
キミと一緒にいたい。
それだけが自分にとっての現実であり願いであり世界そのものなんです。
アニメの内容に沿いながら、聞いているひと誰にでも重なるコトバで引きつけるメイリアさんらしい呼び掛けになっています。
キミだけを信じている
Catch you 例えばそうキミが嘘つきだったとして
Trust you 世界まるごと騙そうとしてるなら
ooh baby ボクも世界を裏切ろう
出典: Truth./作詞:MARiA 作曲:toku
キミを想う少年の覚悟が続きます。
もしかして、自分が決めたキミだけのために生きていくことにほんのわずかに迷いがあるのかもしれません。
それを、あえて逆説的な言葉を自分自身に投げかけることで、自分の覚悟を固めているとも感じ取れます。
いつまでも笑ってる
キミと今歩んでるこの時間は永遠ではないけど
ボクがいつか消えてしまったとしても
キミのメモリー(きおく)の中でいつまでも笑ってる
出典: Truth./作詞:MARiA 作曲:toku
誰にも永遠の時間なんてありません。
誰もが分かっていることだけど、日常の中ではひとはそれを手放そうとして生きています。
ただ、この少年は非日常に巻き込まれていく中で、時間は瞬間と瞬間がかろうじてつながっているだけだということをカラダに刻んでいきます。
ボクはいつか消えるんだからという投げやりな想いではありません。
だからこそ、この一瞬一瞬の全部、ずっとキミのそばで笑っていたいという決意です。
「Error」で少年は「今は触れたい気持ちだけでいい」としていました。
そして、「Truth.」では少年が自分の気持ちがキミに届ていることを確信しています。
二つの歌をとおしてメイリアさんは例え世界が変わらなくても、誰にでも変えられるものがあるということを伝えたいのかもしれませんね。