天使はまるで悪魔のような笑顔を浮かべながら遊んでいる
子供たちは持てるだけのわずかなコインにしがみつき、知恵を絞る
悪魔のような顔を装った天使は、ある計画を企てる
子供たちはなお、わずかなコインにしがみついている

出典: 僕の戦争/作詞:の子 作曲:の子

悲しみや憎しみのこもった表情を浮かべる主人公に対し、相反する存在に感じられる「天使」

清く尊い存在であるはずの天使が浮かべるのは、悪魔のように醜い笑顔です。

その視線の先には、貧しい子供たちが頭を抱えながら、手元に残ったわずかなコインに希望を込めています。

子供たちの命を左右するであろうこのわずかなコインも、天使にとっては遊び道具の1つでしかありません。

数を増やして子供を驚かせることも、目の前から消して絶望を与えることも思いのままなのです。

天使たちが自分を使って「遊んでいる」とは知らず、子供たちはコインにしがみついていて……。

「神」や「天使」などのとてつもなく大きな存在が、自分にとって必ずしも助けになるとは限りません。

これまでどんなに苦しんでいても、天使はもちろん手を差し伸べてくれる人すらいなかった……。

主人公は、ずっと1人ぼっちで苦しんできたのです。

本当の敵とは

神聖かまってちゃん【僕の戦争】歌詞和訳&意味考察!今だけ泣いていい理由は?夕焼けこやけが逆さまとはの画像

Destruction and regeneration
You are the real enemy

出典: 僕の戦争/作詞:の子 作曲:の子

たった2行の歌詞ですが、この2文がすべてを物語っています。

さっそく和訳してみましょう。

破壊と再生
そう、それが本当の敵だったのだ

出典: 僕の戦争/作詞:の子 作曲:の子

1人ぼっちの世界で、周りの人間全員が敵に見えていた主人公ですが、あることに気がつきます。

この腐った世界は、1度すべてを「破壊」しなければ何も始まらないことに。

そして、破壊されまっさらになった大地で、新たな「再生」を始めればいいということに。

この部分は、今まで以上に「進撃の巨人」の世界観と強く結びついているようにも感じられます。

自らと大切な人を守るために、それ以外の命を「地鳴らし」で踏みつぶそうとした主人公・エレン。

どうしようもなく巨大な壁を目の前にし、すべてを無に返そうとしてしまうのです。

そう思わざるを得ないほど、今までの苦しみが長かった「僕の戦争」の主人公。

果たしてどんな行動に出るのでしょうか。

自分より小さな命を蹂躙して気がつく

友達と呼べる存在はいない

The only memory left is trauma
Imaginary friend's kind words
The evening train was shaking

出典: 僕の戦争/作詞:の子 作曲:の子

2番の最初は、主人公に訪れた小さな転機を歌にしています。

一体主人公に何があったのか、和訳して確かめてみましょう。

私に残っているのは、トラウマとなった忌々しい記憶だけ
脳内で空想上の友人が私に寄り添う
夜行列車が静かに揺れているように

出典: 僕の戦争/作詞:の子 作曲:の子

華々しい生活を送るはずだった学生時代も、思い返せばトラウマだらけ……。

友達と過ごした楽しい日々が1つも思い浮かばないなど、そんな悲しいことがあっていいのでしょうか。

主人公に寄り添ってくれるのは、「イマジナリーフレンド」と呼ばれる空想上の友達だけです。

何でも話せる間柄でありながら、実際には存在しないという儚さも兼ね備えている存在です。

空想の中では、いつも平和で穏やかな日々が続いていて……。

現実に戻ったとき、理想とのギャップにより一層悩まされてしまうのです。

自分の中の「悪魔」に気がついた瞬間

神聖かまってちゃん【僕の戦争】歌詞和訳&意味考察!今だけ泣いていい理由は?夕焼けこやけが逆さまとはの画像

I purified the imperfect flowers
The pain in my heart getting higher
My comedy show at its peak
The frogs were crying on our way home
This is my last war

出典: 僕の戦争/作詞:の子 作曲:の子

主人公が変わらない毎日を抜け、戦いを決意するまでに何があったのか……。

最後にこの部分を和訳してみます。

いびつな形の花を、この世界から消し去ったとき
うずくような胸の痛みはさらに強くなった
こんなコメディじみたショーが、私の人生で一番の最盛期
帰り道にはカエルが鳴いていた
そう、これは私にとって最後の戦いだ

出典: 僕の戦争/作詞:の子 作曲:の子