なんでも知っている

最後のハグを交わす2人。

しかし彼の方はというと...

背中にまわす指の力とはうらはらな
あなたの表情が見たい

出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実

お互いを強く抱きしめ合う2人。

そんな中彼女は何もかも知っている様子。

彼の気持ちはとっくの昔に離れてしまっていることに、気づいているのです。

それでも力強く抱きしめてくる彼。

愛のないハグの中見えない彼の顔が、どんなものなのかそれすら知っている彼女。

強く抱きしめながらそっけない顔をしているに違いありません。

そんな彼の顔が見たい。

なんとも大人なシーンです。

捨てた理由は

小さな復讐

ここからがBメロです。

楽曲は大きな転換が入り、メロディックなユーミン節が炸裂します。

もうすぐかわいいあの女と
引越しするとき気づくでしょう

出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実

ここで遂に捨てたピアスの意味が判明しました。

なんでも知っている彼女。

彼がもうすぐいなくなることも知っています。

そうして引っ越しの荷造りの時、ベットの下からあのピアスが出てくるのです。

「あの女」が見つけたら大騒ぎになるでしょう。

そうです、真珠のピアスはささやかな復讐だったのです。

彼がすぐ気づかないように捨てたのもそのためでしょう。

自分には何も言わず、去っていく彼。

そんな彼への、ささやかな復讐のためのピアスだったのです。

可愛くもあり、恐ろしくもありますね。

そうして捨てた「真珠のピアス」

松任谷由実【真珠のピアス】歌詞の意味を解説!捨てたピアスが意味深…!最後のジェラシーの真意を探るの画像

Broken heart 最後のジェラシー
そっとベッドの下に片方捨てた
Ah・・・・真珠のピアス

出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実

ここまでの小さな復讐劇をまとめるために、ここでサビを繰り返します。

しかしここで「そっと」という言葉が付け加えられているのです。

意味はきっとありませんが、記憶の中で繰り返し思い出すあの行為。

きっと当分忘れることはなく、思い出すたびにため息をつくのでしょう。

「やってよかったんだろうか」「いや、やってよかった」。

頭の中で天使と悪魔が囁きます。

そうこうしている間に記憶は、曖昧になり薄れていくのでしょう。

ピアスを投げるように捨てたのか、優しくそっと捨てたのか。

そもそも捨てたこと自体、忘れていってしまうのでしょう。

忘れたい過去

風に乗せて捨てる「思い出」

あの復讐劇からしばらく経ったある日、部屋を掃除していると...

古ぼけた広告でヒコーキを折ってみる
高台の部屋の案内
いつか住もうと云って
微笑んだあの夢へ せめてヒラリ飛んでゆけ

出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実