出て来たのは、「古ぼけた広告」でした。
彼との思い出が蘇ってしまいます。
歌詞2・3行目にあるように、2人で話していた時のこと。
彼は嘘をついていたのです。
ですが復讐劇も遠い昔、怒りはありません。
広告を捨てるのではなく、1行目にある通り「紙ヒコーキ」にして飛ばしてしまいました。
なんとも清々しい場面ですね。
彼への未練はもうないのでしょうか。
さっぱりしてまたを部屋を片付けていると、嫌なものが出てきました。
片方だけの真珠のピアスです。
突き刺さるフレーズ
ここでこの歌の根幹をなすフレーズが出て来ます。
どこかで半分失くしたら 役には立たないものがある
出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実
片付けの最中に出てきた真珠のピアス。
一瞬いつの物だったか考えます。
そんなことさえ忘れていたのです。
そして、あの復讐劇を思い出します。
あの復讐は上手くいったのでしょうか。
そんなことを考えながら、片方だけのピアスを弄びます。
そして上記のフレーズにあるように、これは「役に立たない」と理解したのでしょう。
ピアスはもちろん、彼への想いもそうです。
あの日、ピアスと一緒に想いも捨ててきてしまいました。
それではもう役に立ちません。
そのことを思い知った彼女は、そのピアスをどうするのでしょう。
想いを捨てきれたのか
気づいてしまった
彼女があの日、捨てたものはピアスだけではありませんでした。
Broken heart それはあの時 蒼い心の海に
ひとつぶ投げた
Ah・・・・真珠のピアス
出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実
ここのフレーズにある「真珠のピアス」に実体はありません。
きっと彼への想い。
それをあの時、捨ててしまったのです。
彼に「戻って来てね」と言った時には、すでに想いもピアス同様捨ててしまっていたのでしょう。
今までぼんやり忘れながらも残っていた彼への気持ち。
それが半分だったとピアスを見て分かってしまったのです。
そのことに気づいた彼女はなんともやりきれない気持ちになったのでしょう。
こうして、歌は大サビに繋がります。
これで最後の...
Broken heart 最後の夜明け
Broken haert 最後のジェラシー
Broken heart 最後の夜明け
Broken haert 最後のジェラシー
出典: 真珠のピアス/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実
「ジェラシー」の意味は「嫉妬」「妬み」です。
半分だけのピアスを見つめて、1人やりきれなくなってしまった彼女。
そうしているうちにあの日のことを鮮明に思い出すのです。
彼の寝顔やシーツの匂い、最後のハグ、そして捨てた真珠のピアス。
忘れていた「かわいい女」への嫉妬、妬み。
これで最後にしよう、これで最後に...
そう繰り返し自分い言い聞かせているのしょうか。
それを表現するために同じフレーズを二度繰り返しているのでしょう。
そうして歌はフェードアウトしていきます。
最大の謎
彼との関係
この歌はまさに「THE失恋ソング」でした。
しかし1つ謎が残ります。
彼と彼女の関係です。
いくら歌詞を読み返しても、2人の関係は明言されていません。
恋人同士はもちろん、浮気相手とも取れます。
前者なら「かわいいあの女」が浮気相手、後者なら「かわいいあの女」が彼の恋人です。
どちらであってもこの曲、そして彼女の「ジェラシー」も成立します。
一体どちらだったのでしょう。
その時の気分で視点を変えながら、この曲を聴くのも良いかもしれません。