歌声がそのまま生き様を表しているかのよう!
本人は飾らずに等身大で歌っている感じがするのに、他の人には出せない芯に響くものを持っている。
いえ、飾らずに等身大で歌うからこそ、感情が直に伝わってくる感じがして響くのかもしれません。
言われてみると「飾らない」「等身大」という言葉は今の彼女の活動にも通じるものがあります。
歌声がその生き様とリンクしているというのもまた、素敵な話ですね。
続いてはいよいよ歌詞を解釈していきましょう!
嫌われたくないという不安
本心ではないのにすぐに謝る彼
嫌われているような 気がしてた 帰り道
見上げた部屋の灯り 今 どんな気持ちでいるのだろう?
ケンカになればすぐ謝る よわくて アナタハ ズルイヒト
出典: Namidairo/作詞:YUI 作曲:YUI
主人公が家路につこうと、彼の部屋から出たところの描写から楽曲は始まります。
今日、2人はきっとケンカをしてしまったのでしょう。
彼が謝ったことを踏まえれば、そのケンカ自体は収まっている様子。
しかしそのことに対して主人公は煮え切らないのです。
それは彼が本心で謝っているようには思えないから。
ケンカを長引かせるのが面倒だから、彼女と衝突するのが嫌だから彼は謝るのでしょう。
それは裏を返せば主人公と本音で分かり合うつもりがないということ。
主人公が「嫌われている」と感じたのは、そんな側面からではないでしょうか。
自分が部屋を出た後の彼の動向が気になるのも、そんな不安からでしょうね。
彼の前で素直になれないのは
なみだいろ 声が聞こえない夜は
困らせてしまうほど わがままになりたい
だいじょうぶ そう言ってみたけど
そんなはずないでしょ…
出典: Namidairo/作詞:YUI 作曲:YUI
ここの部分は彼と会えない夜、わがままな自分に歯止めが効かなくなるということが歌われているように感じます。
恋人同士ならば、わがままの一つや二つ言ってもよさそうなもの。
それでも主人公は彼の前で本音を言えず、自分一人の夜にその溢れ出しそうな想いに苦しむのです。
これは単純に考えれば彼を困らせないための気遣い。
しかしここでメロ部分で「嫌われているのでは」と気にしていた彼女の様子が頭をかすめます。
主人公は嫌われたくないという想いから、彼に本音を見せられないのではないでしょうか。
そう考えると、相手のためなのか自分のためなのか…不安定で複雑な感情が浮き彫りになってきます。
優しい彼だから全部話してしまいたくなるけど…
彼は弱い一面ばかりではない
水たまりに映る 哀しい顔 見慣れている
ムリ 言わないつもり わかってるから 苦しくなるの
優しくされると泣けてくる やっぱり アナタハ ズルイヒト
出典: Namidairo/作詞:YUI 作曲:YUI
嫌われたくない一心で本音を隠し続ける主人公の表情はいつも哀しげ。
そんな彼女の様子に気付いてか、優しく接する彼の姿がここで描かれます。
1番では衝突を避けようとする弱い一面が描かれていましたが、その分彼はきっと優しい人なのです。
本音を言うのは嫌われてしまうのが怖い。
でも彼の優しさに触れると全部話してしまいたくなる。
主人公はそんな複雑な心境の中で揺れ動いていたのではないでしょうか。
彼の方から気付いてくれたら
あなたの前じゃ 嘘つきよ
気づいてほしいと 思っているの
そんなに強いわけじゃないからね …アタシ
出典: Namidairo/作詞:YUI 作曲:YUI