思うようにならないジレンマ
手のひらじゃ 決して外せない紅い扉の鍵は 揺るがないまま
特別な夜を授けよう 今すぐ抜け出そうロンリネス
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
固く閉ざされていたものは心の「扉」と解釈すればよいのでしょうか。
それとも…。
そこをこじ開けようとしたのは僕の方だったようです。
必死に抵抗していたのは君の方で完全には心を開いてないように思います。
どうやら夢中になっていたのは僕のようですね。
まだ出会って間もない頃の回想シーンかもしれませんが出会いから誘い出すまでの様子はわかりました。
ふたりだけの甘い時間を約束するなんてやはり残酷なことです。
燃え尽きるまで
ゆらゆらと 揺れる旋律と汚れた蜜で嬲る 狂おしい程
どろどろに 溶かしてしまえよ 今すぐ骨の髄まで
君だけのこの瞳で
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
一滴の血も残っていないほど狂わされたのならその体ごと砕けてしまえといっていますね。
これは君にいっているようですが結局自分にも言っているようですね。
愛以上の憎しみのような感情に苦しんでいるのは僕の方かもしれません。
最初の感触とは随分違って見えてきました。
次でラップ部分を考察してみたいと思います。
ラップの部分はいわゆる少しダークで内向的な台詞のように感じました。
歌詞考察~ラップの歌詞part部分
クランメリアの言い訳とは?
静かに降り注ぐ 甚だしいくらいの無数の刃(やいば)に
溢れる詭弁(きべん)と涙の理由(わけ)も見出せずに
淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と
仄(ほの)暗い痛み 嘆き 苦しみ 愛(め)でるように
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
夢中にさせたのはあなた?それともわたし?
冷静を取り繕っても錯乱状態は続きます。
止まらない言い訳も「涙」も全部嘘かもしれません。
未来が見えない。
暗い闇。
凍り付いた冷たい心。
すべてはあなたのせいだといっているようですが案外次の手を考えているかもしれません。
これは違う角度からの見解かもしれませんがクランメリアは悪女ではないでしょうか。
陰鬱なラップ部分は溜息のようでもあり独り言のようにも取れます。
暗い方へ暗い方へと導いて行く魔性の女です
空っぽの未来
見つけられない約束のFreedom 壊れそうなくらい愛を注いだ
機械の成れの果てなんかさ ゴミ溜めに投げて捨てるの
錆びた理想に感覚に心臓 戻れない無限の執着の回路
途端に締め付けるリズムに この身を粉々にされながら
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
過去の無意味な回収を行ってももうどこにも未来は探せないのでしょうか。
すべては地の果てまでも回り続ける破壊の歯車のようです。
壊れた部品をひとつずつ外して行くようにすべては遠のいて行きます。
夢を見たことも夢を追ったことも終わったと理解した瞬間の恐怖が一番怖いのです。
この先もこの瞬間に怯えることを繰り返すのなら今終えたほうがいいですね。
クランメリアの言い訳はなんだったのでしょう。
きっとそれは「私は弱い人間だと」いう言い訳ではないでしょうか。
クランメリアの謎
この「クランメリア」という言葉ですが制作者の見解ですと「造語」だということですね。
歌詞の中のには一度も出てきませんでした。
ちょっと不思議な感じがします。
主人公のイメージで作られたようです。
その「クランメリア」の女性像も制作者側と私達リスナーとでは全く違うかもしれません。
結局のところ最初リードしたのは男の側でしたが最終的に逃げられなくなったのも男の方だと思います。
背徳の匂いのする恋のようでしたね。
巧妙に寂しがっているように見せて相手を引きずり込む魔性の女という感じがしました。