UVERworld【神集め】の歌詞を解説
今回ご紹介するのはUVERworldの【神集め】。
デビューから3枚目のアルバム「PROGLUTION」の収録曲です。
病室のベッドで紡がれていく物語が描かれた【神集め】。
神という存在は楽曲の中でどんな意味を持つのでしょうか。
【神集め】の歌詞を紐解いていきましょう。
病室のベッドで紡がれる物語
The Secret of God
出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
躍動感溢れるサウンドに語りかけるような歌詞。
残響音を切なく残しながらも繰り返される印象的なフレーズからはTAKUYA∞の強い精神性も感じられます。
この「神の秘密」というフレーズは一体何を意味するのでしょうか。
番犬の目をすりぬけて
番犬のケルベロスの目を盗んでこっちに来いよ
暗闇病室ベットの上で今夜は何を話そう?
出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
歌詞の舞台は病院。
闇夜が支配する静まり返った病室には主人公と「君」の姿があります。
こうして二人は何度も真夜中のおしゃべりを楽しんできたのでしょう。
寝静まった人々を起こさないようにする内緒話のような感覚。
二人だけの秘密を共有しているようなちょっとしたワクワク感も呼び起こされそうです。
ギリシャ神話で冥王の番犬をする“ケルベロス”の監視をすり抜けて今夜も二人の会話がはじまっていきます。
「君」も知らない秘密
「神懸り」未知の領域があって
「本当に?本当に?」NONONONONO!
最大の秘密は あの世があって
cry cry 本当の終わりは此処じゃないこと
出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
彼が語り始めたのはまだ誰も知ることのない秘密の世界のこと。
もちろん「君」も知らない世界のことです。
話しの流れを遮る勢いで「君」は夢中に身を乗り出します。
物語の本番はまだまだこれから。
彼はここから「君」を神話の世界に誘っていきます。
神を集めて
神との宴?
ゴルフィルの木で造った船 ノアに舵を任す
雨を欲した砂漠のSPIDER 垂らした糸で誘う
「アマテラス」宴くらいこっち来いよ
踊れ踊れ 踊ろろろろ
猫の額の 神の心
きっと きっと 信じる者のみ導く
出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
冒頭に語られるのは旧約聖書で有名なノアの箱舟。
続いてはギリシャ神話に登場するアラクネーを指しているのでしょうか。
様々な神に関わる話が彼の口から誘われ、ミステリアスに繰り広げられる“宴”のような印象も受けます。
遂には日本神話の最高神天照大神まで招き入れようとしているよう。
彼は本当の意味での【神集め】を行うために神話を語ったのでしょうか。
その目的はただの“宴”のためだったのか。
万物を司るともいわれる神に対して“猫の額”と表現する真意。
それはこの最後の一文から感じ取ることができます。
「信じていれば救われる」とも捉えられる内容です。
“きっと”という言葉からは切実にも思える彼の願望が窺える気もします。
先ほど語られた物語の内容を思い出すとノアは信心深く神に助けられた人物。
そしてアラクネーは神を侮辱して蜘蛛の姿に変えられてしまった人物です。
二名とも神に関わった神話の登場人物の一人でしかありません。
神も自分を正しく信じる者には正しい導きを与えるという内容にも捉えられます。
彼は神話や神にまつわる話で何を伝えたかったのでしょう。