「だから終わりじゃないよ」って
「秘密を超えたその先でもう一度逢えるよ」って
君は泣き顔で笑った
物語の星になって 空からいつも見てるから
「だから別れじゃないよ」って 君はもう一度笑った

出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞

おそらく病室のベッドに横たわる彼の命は幾ばくもないのでしょう。

降りかかる「死」は必然的に二人の“別れ”を意味するもの。

しかしそれが “別れ”や“終わり”ではないと彼は言うのです。

彼が「君」に本当に伝えたかったこと。

それはこの世の終わりが決してすべての終わりではないということでした。

突拍子もない言葉にも思えます。

いままで語ってきた神たちが「死」の先へ導いてくれるというのでしょうか。

死んでしまった後のことなど、それこそ誰にもわからないことでもあります。

だからこそ、その先に秘密がある

そう彼は言いたいのかもしれません。

誰もが“別れ”や“終わり”と認識している人間の「死」。

それでも「きっとまた会える。」と彼は言います。

「君」を笑顔にするために、彼は繰り返し言うのです。

しかしなぜ彼はその先があると信じているのでしょう。

その答えは彼が「神の秘密」を知っているからかもしれません。

「神の秘密」とは

An act of God
the music evokes the past

The Secret of God
Everything is alright

The fairytale told in my childhood
made me thinking of God
The existence of the unknown world must be the top secret

出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞

静かにしたためられていく間奏部分の歌詞

「神の秘密」が少しずつ解き明かされていくような感覚を覚えます。

和訳

神の行為によって音楽で過去が呼び起こされる。

神の秘密。

何もかも大丈夫さ。

子どもの頃に聞いたおとぎ話で神について考えさせられたよ。

未知の世界の存在は極秘でなければならないって。

The faith, Enormous, Expanding
Immeasurable world, Beyond the moon and stars
The faith, Enormous, Expanding
Immeasurable world, Beyond the moon and stars

出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞

和訳

信じてみて。

とてつもなく大きく広がっている、月と星をも超える果てしない世界を。

 

彼が知っている「神の秘密」。

それは計り知れないほど大きく、果てしなく続く未知の世界の存在です。

人間が“終わり”だと思っている「死」の先にも世界が続いている。

音楽で呼び覚まされた彼の記憶。

神によって導かれたのでしょうか。

一人病室で彼は神と「神の秘密」について考え、そして答えにたどり着いたのです。

でもこれは誰にも言ってはいけない秘密のこと。

心の中で信じていればまた会えるのだから。

本当に怖いことは...

夜空の星になって

明るい空にだって 厚い雲がかかったって
目に見えないだけで星は変わらずそこにいるから

「だから終わりじゃないよ」って
「秘密を超えたその先でもう一度逢えるよ」って
君は泣き顔で笑った

出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞

彼は「自分は星になる」と言っていました。

星は夜空で輝くだけの存在ではありません。

雨の日だって、雲に隠れていたって、澄み渡る青空の下だって、星は必ず空から見守っています

光を放たなくとも確かにそこに存在しているのです。

「神の秘密」とされる月や星を超える果てしない世界。

その中でも星であれば「君」に近い存在でいられるはずです。

「君」には晴れた夜空でしか彼の姿を見ることはできないかもしれない。

でも星になった彼はいつでも「君」を見守ることができるのです。

傍から見れば根拠もない、おとぎ話のように聞こえるでしょう。

そうだとしてもいま「君」を笑顔にできればそれで充分なのかもしれません。

たとえ“神懸り”的な言葉であっても、「君」はいまだけでも笑顔でいられるのだから。

「死」より怖いこと

最後の時を知って その日を一人待つより
忘れ去られていく事が本当の怖さだった

だから夜空の星になって

The Secret of God

出典: 神集め/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞

彼が本当に怖いと思っていること。

それは「死」そのものではありません。

自分が死ぬことを知ったときはおそらく「死」への恐怖心は持っていたかもしれません。

日に日に近づく「死」への恐怖。

自分という存在がこの世から消え去ってしまうこと。

死んだらどうなるんだろう。一人っきりになるのだろうか。

死んだ後の世界は...?

誰しもがふと「死」について考えることはあるでしょう。

しかしその「死」を目前にした彼。

彼が本当に怖れているのは、自分が忘れられてしまうこと

残された者は「死」を悼み悲しみ、時間と共にその感情は少しずつ薄れていくものです。

それは自然な摂理ともいえます。

もし「君」のような大切な人が自分がいなくなっていつまでも悲しい時間を過ごすのを見るのも辛いことでしょう。

だからこそ彼は「自分は星になる」と言ったのではないでしょうか。

「君」をいつまでも傍で見守って、そして「君」が空を見上げれば自分を思い出してくれるように。

TAKUYA∞の想い

【神集め】にはあるエピソードとTAKUYA∞の想いが込められています。

TAKUYA∞がギリシャ神話など神話系の物語を多く読み、神がかり的なこと説明しようとした結果、天照大神にたどり着いたのがこの曲。「愛する者を亡くし、悲しんだ思いも時間が経つにつれて忘れてしまう。」と言う、スタッフとの会話が発端として完成した。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/PROGLUTION