「しおり」は次どこから読むのかの目印として使われます。皮革や和紙でできたこだわりの「しおり」を使っている人もいますよね。
新潮社の文庫本には最初から紐の「しおり」が付いている親切設計、やはり便利です。
今回の「しおり」を挟んだ目的は、そのページを何度も開きたいため。
最初から探してそのページにたどり着く時間がもどかしくて、笑顔になれるまでの時間を短くしたくて「しおり」を挟みました。
そのページを見つめるのは自分ひとりだけれど、ページの中に君がいます。
二人で過ごした君の微笑みが、そのまましおりをはさんだページの中にいます。
差し出された手を信じて良かったの?
そっと 君に触れた この両手は 頼りなくて
その笑顔を 守れぬまま 立ち尽くすよ
いつか 僕に触れた その両手は 嘘じゃないでしょ?
今でもまだ 僕の心 包み込むよ
出典: しおり/作詞:ナオト・インティライミ・佐伯youthK 作曲:ナオト・インティライミ
自分の愛と自分に自信が持てない
「しおり」を挟んだページを見ているだけでは愛が前に進まないことは分かっています。
だからといって君をぐいぐいと引っ張っていく力が自分には不足している。
こんな自分では君の理想には近づけない、自分と君が傷つく前にこの場から立ち去ることを選ぼうと思っています。
でも忘れられない出来事が自分の胸の中を100%埋め尽くしています。
君が自ら差し出した両手で肩を包んでくれたこと。
君の手が肩に触れた瞬間を今でも覚えています。
差し出した手より触れられた自分の方が震えていたかもしれないけれど、あれは夢ではないと信じたい。
信じて良いんだよねと、聞くこともできない自分は君に愛を告げる資格が無いと思うだけです。
今はページを繰り返し見るだけ
追いついてないよ 幻かな 早すぎる終わり
無理だってわかっているよ でもね 君の名前叫ぶよ
出典: しおり/作詞:ナオト・インティライミ・佐伯youthK 作曲:ナオト・インティライミ
切ない歌詞が続きます。感じたはずの両手の温もりが信じられずに「しおり」を挟んだページを開こうとしています。
ページを開いても、そこにあるはずの笑顔さえ信じられない自分がいることを知らされるだけです。
もう「しおり」を挟んでも、そのページが自分を笑顔にすることはありません。
「しおり」をはずせば何かが変わるのかもしれないけれど、それは思い出さえ失くしてしまうこと。
覚えているのは名前を呼んだ時に返してくれた声。
名前を呼べば君が戻って来ると思いたい自分が一層もどかしく、心は沈んで行きます。
忘れないであの日の両手を
そっと 君に触れた この両手で
時が経っても 探してるよ
この想いが 届く場所を
いつか 僕に触れた その両手は やわらかくて
どんな時も 僕の心 包み込むよ
出典: しおり/作詞:ナオト・インティライミ・佐伯youthK 作曲:ナオト・インティライミ
温もりはそのままここに
忘れられないあの日両手を差し出した自分。
目の前にいる君に触れることはできたけれど、心も伝えられたかが心配で不安が募るばかりです。
差し出した手と君に触れたのは、自分の心の奥の真実を伝えたかったから。
君への想いが伝わるように、自分なりに心を込めて君に触れたのだからそれが届くと信じていたい。
そして君が返してくれた温もりがまだここにいます。あの日君がくれた温度と形がそのまま残っています。
君が温めてくれた心がそのまま自分を包んでいます。その温もりが永遠に続くことを願っている自分を信じ始めています。
愛のために立ち上がる
忘れようと努力したって
何度やっても難しくて
君をなかったことにするのは
もうやめよう
出典: しおり/作詞:ナオト・インティライミ・佐伯youthK 作曲:ナオト・インティライミ
自分が触れた両手と君が触れてくれた両手。二人の両手は二人を包むためにそれぞれの意志で差し出されました。
それは忘れられない出来事、忘れられないのは自分だけではないはずです。
君も両手を使って包んだ温もりを贈ってくれたことを忘れていないはず。
「しおり」を挟んだページだけを大切にしていても愛をダイレクトに伝えることはできません。
キレイなだけの思い出にしたくない、これが今の自分の気持ち。この気持ちを最優先します。
立ち尽くしていた時間は終わりにしたいと思います。
立ち上がって一歩踏み出さないと、君に愛を告げに行くこともできないからです。
愛と君を引き寄せるために
そっと 君に触れた この両手は 頼りないけど
いつか君を 守れるように 戦うから
ぎゅっと 僕に触れた その両手は 暖かくて
いつまででも 僕の心 強くさせるよ
出典: しおり/作詞:ナオト・インティライミ・佐伯youthK 作曲:ナオト・インティライ