スピッツ「シロクマ」とは?
「シロクマ」は2010年9月29日に発売されたスピッツの通算37作目のシングル「シロクマ/ビギナー」に収録されている楽曲です。
メナード「イルネージュ」のCMソングとしても話題になった楽曲ですね。
CDジャケットに映るイセッタのナンバーは見ての通り「す」(スピッツの頭文字)の「46-90」(語呂合わせで「シロクマ」)ですね。
ちなみに細かいのですがナンバーの上の「UPCH5669」はこの楽曲のカタログ番号(レコード商品番号)です。
こんな粋な演出のジャケットの「シロクマ」。
一体どんな曲なのでしょうか?
早速歌詞を解釈していきましょう!
スピッツの「シロクマ」の歌詞に込められた意味は?意味を解釈!
自分の居場所さえ見失う、忙しい日々
あわただしい毎日 ここはどこだ?
すごく疲れたシロクマです
強い日差しから 逃れて来た
しびれが取れて立ち上がれば
ちょっと遠い景色 簡単ではないけど
ビンの底の方に 残った力で
出典: シロクマ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
日々に忙殺されて、自分の居場所さえわからなくなっている「すごく疲れたシロクマ」とは現代人の姿を映しているのでしょう。
「シロクマ」といえば、海に潜ったり、氷の上に出たりして生活しているイメージですよね。
情報に溢れた世の中を強い直射日光に晒され続けているように、生きづらいと感じる人がいる。
そんな人を、日差しから逃れるように、皆が活動する昼は冷たい海の底に潜り、夜の星の出る頃に氷の上で一息つく、シロクマに例えているのでしょう。
もしかしたら海に潜って黙々と狩をする「シロクマ」の姿と、あまり人と話さずに黙々と作業を続ける職業についている人を重ねているのかもしれません。
そして、夜、仕事を終え、家に帰ってきて、氷の上に戻った「シロクマ」のように気が抜けると、ずっと正座していた後のように一歩も動けない。
疲れ果てた体でお酒を飲んでいると、かつて自分が夢見た景色が思い浮かぶ。
きっと自分が夢見た姿とはかけ離れた生活をしているのでしょう。
それでも、瓶の底のほうに残ったほんの少しのお酒のようなちっぽけな力でも、夢を見続けたい。
この部分の歌詞から「シロクマ」は、きつい仕事をしながら、夢を忘れることができない大人の姿を描いていると解釈できましたね。
続きの歌詞も見ていきましょう。
命が尽きて星になる少し前に、夢が叶えばいい
今すぐ抜け出して 君と笑いたい
まだ跳べるかな
物語の外へ砂漠を越えて あの小さい灯
星になる少し前に
出典: シロクマ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「君」とはきっとこの曲の主人公にとっては純粋に夢を見ていられた頃の大切な人なのでしょう。
こんな日常を抜け出して、今すぐにでも昔のように「君」と夢を語り合い笑いたい。
忙しさに縛られて、退屈な毎日が自分の生涯のストーリーだと思ってしまいそうになっている。
しかし、そんな悲しい物語を覆して、もう一度、「小さい灯」のような夢を追いかけてみたい。
夢が叶うのは、命が尽きて星になる直前かもしれなくても、夢を追い続けていたいという願いが歌われているサビだったのですね。
前の歌詞の解釈から繋げるとこんな解釈になりました。
さらに歌詞の続きを見ていきましょう。
どんなに社会の荒波に揉まれても、自分のままの部分を少し守れていれば
惑わされてきた たくさんの噂と
憎悪で汚れた 小さなスキマを
出典: シロクマ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
生きていると世界に渦巻く悪意のこもった噂などに惑わされて、その色に染まってしまいそうになる。
しかし、それでも自分の心の中に、周りの色に染まり切らない「小さなスキマ」を持っていれば自分は自分のままでいられるということでしょう。
慌ただしい日々の中で夢を追い続ける心を守り続ける方法をそっと教えてくれるような歌詞ですね。