でもなんでこうなったんだ ここで今何してんだ
ギラギラの目の人たちにあらぬ疑いをかけられて
沢山の流言飛語が 息巻いて飛び交う部屋に
着の身着のまま放り込まれた俺は一体何をした?

出典: 笛吹けども踊らず/作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Kenshi Yonezu

いきなりカオスな状況

主人公は今、自分の置かれている状況をまったく把握していません

主人公ですら分からないのですから、リスナーはもっと混乱しますよね?

どうやら主人公の周りには「ギラギラの目の人たち」がいる模様。

あまり楽しい状況ではないようです...。

その人たちに「あらぬ疑いをかけられ」る主人公。

たまったものではありませんね...。

流言飛語(りゅうげんひご)」というのは「デマ」という意味です。

主人公はあまり良くない人たちから、あらぬ疑いをかけられているんですね。

それも「着の身着のまま」で。

「着の身着のまま」ということは、主人公はもしかしたらパジャマ姿かもしれません(笑)

Aメロ(2回目)

【米津玄師/笛吹けども踊らず】歌詞に込められた意味とは…辛辣な言葉で表しているものは一体何か考えるの画像

何らかの勘違いで 俺は今冤罪を背負って
身に覚えなどない言葉で埒のあかない押し問答
切り取った密室に浮かぶ 煩雑と食傷の空気
巡り巡れど罪もなし

出典: 笛吹けども踊らず/作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Kenshi Yonezu

使われている単語が難しくなってきました...。

冤罪(えんざい)」とは「犯してもいない罪」のことです。

「ギラギラの目の人たち」と主人公は、なぜか「押し問答」をします。

ようやく主人公のいる環境が分かりました。

密室」なんですね。

文字通りに「密室」なのか、「密室」というのは比喩表現なのか?

まだここでは分かりません。

主人公にとって良くない状況はまだまだ続きそうです...。

サビ

【米津玄師/笛吹けども踊らず】歌詞に込められた意味とは…辛辣な言葉で表しているものは一体何か考えるの画像

もういいかい、もういいかい
すっからかんになったしさあ さあ
そんなもんはやっちゃないさ 放っておいてや
充分さ、充分だ
悪いのは誰だろうなあ なあ
立ち込んだ青い吐息 白々しい
目を向けられている

出典: 笛吹けども踊らず/作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Kenshi Yonezu

緊迫した状況に耐えられなくなってきた主人公。

もういいかい」を繰り返し言います。

おそらく主人公の気持ちは「もういいかい?」。

」マークを付けると、より主人公が置かれた状況が分かりますね。

また、「もういいかい」という言葉は「かくれんぼ」を連想させる言葉です。

もちろん「」=「ギラギラの目の人」ですね。

吐息が「青い」のは、主人公の疲労具合を表しています。

はたして主人公は何をしたのでしょうか?

酒を呑んだ

2番目Aメロ

でもなんでこうなったんだ ここで今何してんだ
ヘトヘトの目の人たちは昨日の夜のことばかり問う
俺は酒を呑んだんだ 夜の淵踊ったんだ
そしたら靴が脱げ落ちて 夜の魚に食べられた
その後は…その後は
それは確かに覚えてない!

出典: 笛吹けども踊らず/作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Kenshi Yonezu

ようやくここで主人公が置かれた状況の、手掛かりになる言葉を見つけました。

主人公はお酒を呑んでいたのです(笑)

「夜の淵(ふち)」とありますから、おそらく夜通し呑み明かしたのでしょう。

「ギラギラ」で「ヘトヘト」の目をした人たちは、昨晩一緒に呑んでいた人たちなのでしょうか?

どうやら主人公は昨晩のことを全く覚えていないようです。

失態をしてしまいましたね...。

昨晩のことを問われる主人公。

他人にけんかでも売ったのでしょうか?

これは「あらぬ疑い」ではないのかもしれませんね...。

「夜の魚」という比喩から連想するのは深海魚、ではなく「いかがわしい人間」。

「いかがわしい人間」を「夜の魚」に例えたのですね。

泥酔した揚げ句、「覚えてない!」と言い切ってしまった主人公(笑)

はたして主人公の運命は!?

2番サビ

2番目のサビは1番目のサビと同じです。

ここではもう少しサビの歌詞を解釈していきたいと思います。

主人公が「密室」と例えた場所ですが、具体的にどういう場所なのでしょうか?

主人公が昨晩酔った揚げ句、何かしでかし、他人からあらぬ疑いがかけられている」という状況。

お酒がたしなめる場所、そしてその場所に主人公以外の人間がいる。

そうするとこの場所は「居酒屋」や「バー」といったところでしょう。

そして今一度タイトルの『笛吹けども踊らず』の意味を考えます。

もしかしたら昨日は主人公の誕生日だったのかもしれません。

それで友人たちが、主人公を祝うためにパーティー会場を借りてくれた。

誕生パーティー」の場で泥酔し、醜態(しゅうたい)をさらしてしまった主人公。

主人公の人柄はこの歌詞に描かれていません。

おそらく主人公は真面目で実直な人柄なのでしょう。

そんな主人公が泥酔した。

それどころか醜態をさらし、その場にいる友人の一人に喧嘩を売ったのかもしれません。

主人公の普段と違うあられもない姿に、戸惑いを隠せない友人たち

要するに「笛吹けども踊らず」と感じたのは、主人公の方でなく友人たちの方だったのではないでしょうか?

最後のサビ

もういいや、もういいや、
そろそろ終わりにしよう なあ
皆呼んで踊ろうや 手を叩いてさ
ハレルヤ、ハレルヤ
誰も悪くないだろうなあ なあ
円満で終わろうや 手を繋いでさ

笛吹けども踊らず

出典: 笛吹けども踊らず/作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Kenshi Yonezu

【米津玄師/笛吹けども踊らず】歌詞に込められた意味とは…辛辣な言葉で表しているものは一体何か考えるの画像