もう戻ることができないと感じるシーン
恋人ができたって
君からちゃんと聞いていないよ
どうか幸せに
出典: 恋人ができたんだ/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
どうやら昔の恋人にも新しい恋人ができたということを誰かから聞いたのでしょう。
自分にはもう関係なくても、そういうことはなぜかダメージを受けるものです。
唯一できる必死の抵抗が「どうか幸せに」という短い言葉なのだと思います。
自分に「恋人ができた」ということは、君には言っていない。
そんな状態なのにもかかわらず、主人公は君の現在の様子が気になって仕方がありませんでした。
しかし思わぬところで耳にしてしまったのです。
きっと、ひどく落ち込んだのでしょう。
この場面からは「悔しさ」を感じることができます。
純粋に好きだったから
愛し合ってしまった繋がってしまった
それは消せないけど奪ってしまった奪われていった
心を返してもう眠ろう
出典: 恋人ができたんだ/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
君のことを知ってしまった。
この事実は、どうしたって変わることはありません。
僕は忘れても君は忘れないかもしれないし、僕は忘れなくても君は忘れるかもしれない。
しかし、過ごした時間がなくなることはないのです。
だからこそ、その思い出は胸の奥にしまって明日を迎えようとしているのでしょう。
明日になれば、君のことを考えずに済むかもしれない。
そのように暗示をかけているのだと読み取ることができます。
しかし「考えないように考えないように…」と思っている時に限ってたくさん考えてしまうもの。
だからこそ、この楽曲が始まってからずっと君のことしか考えていないのです。
それほど僕にとって君への思いが大きかったのかもしれません。
「恋人ができたんだ」
時間が経って 思い出せなくなって
忘れてもいいよね
恋は薄まって でも愛はまだ残っているの?
もう会えないよ
僕ら 恋人ができたんだ
出典: 恋人ができたんだ/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁
忘れられないというのは、忘れたくないということなのでしょう。
純粋に恋人を愛した自分や、過ごした時間を否定したくないのです。
そのため、忘れるということに罪悪感を感じているのだと思います。
ここでまた「でも愛はまだ残っているの?」という、歌詞が出てきます。
これは、彼女にも同じように思っていてほしいという複雑な気持ちがあらわされています。
でも、大好きだったからこそ、2人はもう会うことはできません。
お互いに恋人ができたのですから。
これを言い聞かせて、僕は君への想いに蓋をしていくのです。
まとめ
ここからは「恋人ができたんだ」についてまとめていきましょう。
ぐるぐると複雑な心境が感じられた楽曲ですが、まとめると以下のようになります。
- 僕の今の状況と気になる君の様子
- 君との思い出から感じる後悔
- 君の今の状況
- もう戻ることはできない
このように、切なく胸が痛むような楽曲だということがわかります。
僕の今の状況と気になる君の様子
僕の今の状況は、タイトル通り「恋人ができたんだ」という幸せを噛み締めている最中です。
そんな状況ではありますが、僕は君の様子が気になっているのでしょう。
楽曲の序盤からその気になる姿が確認できます。
僕には大好きな恋人がいるはずなのに「君は今どうしているのかな」とか考えてしまう。
「雰囲気とか仕草とか君とは異なる恋人なのに、なぜか君を思い出してしまう」というような僕の心。
その理由は明白で、ただただ君に対しての未練が残っているからなのです。
君との思い出から感じる後悔
君との思い出はたくさんある。
今の恋人とだって、たくさんの思い出を作るつもりだよ。
それでもどうしたって、君の面影がチラついてしまうのです。
どんなに今の恋人と幸せな時間を過ごしても、その時間は君との過ごした時間があったから。
しかし、君ともし別れなかったらどうなっていたのでしょう。
もしかしたら今より幸せで、こんなにも君の存在の大きさを感じてしまうことはなかったのかもしれない。
それでも僕には「恋人ができたんだ」。
あの時、あんなことを言っていなければという後悔を感じる辛い状況です。
君の今の状況
風のうわさで君の今の状況を知ることができたよ。
君にも「恋人ができたんだ」ってね。
この事実を知ったとき「悔しいや悲しい、幸せになってほしい」などいろんな感情が溢れたのでしょう。
僕にも恋人がいるのだから同じ状況なのに、なぜか少しムッとしてしまう。
確実に「まだ」君のことを好きなのでしょう。
それでもこの思いは、君に打ち明けることはないのです。
君の状況を祝福してあげなくてはいけない。
それがどんなに辛いことだって、僕にも「恋人ができたんだ」という事実があるからです。