透きとおる 光が 分け隔てなく
すべての人たちに 朝を運んでくる
出典: 今日もどこかで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
次の歌詞パートで描かれているのは「朝」についてです。
ここでは朝が全ての人に対して平等な存在として描かれています。
この朝と対比される存在が「夜」です。
夜というのは安らぎの時間であると同時に、そこには深い闇が存在しています。
暗闇というのは、人間にとって恐怖や不安といった感情を引き起こすものでもあるのです。
ここでいう朝がもたらすものというのは、そうした感情と対比したものだと考えられるのではないでしょうか。
つまり、そうした不安に苛まれていた人々が朝を迎えることで負の感情から解放される。
そうしたことの隠喩であると考えることもできるでしょう。
また、朝がやってくるというのは「明日が来る」ということでもあります。
どんな人にも平等にやってくる明日というのは、私たちに未来を与えてくれるのです。
輝かしい未来を想像することは、私たちにとって日常を生きていく原動力の1つにもなり得るでしょう。
他者に救われる
未来への1歩
その一歩を もう ためらわないで
誰かが きっと 受け止めてくれる
出典: 今日もどこかで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
このパートではそうした未来への1歩を表していると考えられるでしょう。
その1歩には必ず未来への不安や苦しみなどの感情が付きまといます。
この先の未来が良いものではないかもしれないといった懸念が、その足を留まらせようとしてくることもあるでしょう。
しかしながらそうした懸念というのは必要ないのだと、主人公が私たちへ教えてくれているようです。
その理由については2行目に書かれています。
これは冒頭の歌詞パートでも書かれていた「優しさ」と関係していると考えられるでしょう。
もしその未来がうまくいかなかったとしても、他者の優しさがきっと救いになるはず。
これは他力本願にも思える言葉ですが、ここでは言い表したいのはそういった類のことではないと考えられます。
彼は他者の支えがきっと未来の自分にとって救いになるということをいいたいのでしょう。
出会いは有限である
いちどきりの 短いこの人生
どれだけの人たちと 出会えるんだろう
出典: 今日もどこかで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
ここでは人生の中で出会える人々の数に思いを馳せる主人公の姿があります。
人生というものの儚さを想いながら、その中での数に限りのある出会いについても思いを馳せているのでしょう。
人との出会いというのは、自分の人生に影響を与えるものの中でもその最たるものであるといえます。
そんな出会いも無限ではないということから、出会いというものがどれだけ貴重であるかが分かるでしょう。
他者との出会いというものが主人公にとって大きな力になっているのだと考えられます。
出会いと可能性
この広い世界で
ほんとうに 大切な人たちと
かけがえのない その人と この広い 空の下で
出典: 今日もどこかで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
そんな数の限られた出会いの中で出会うことのできた、信頼できる大切な人たち。
そして自分にとって特別な存在である、愛する人。
そうした人々と共に今この世界で過ごせているということに対して主人公は幸せを感じているのでしょう。
主人公がここまでの歌詞で私たちに伝えようとしてきた他者との関係性というもの。
それを伝えたかったのは彼が今、大切な人たちと共に人生を過ごしていることで幸せを感じているからなのかもしれません。
2行目で表されている「空の広さ」からは、この世界の広大さが伝わってきます。
広大なこの世界の中で、大切に思える人と出会えたことに対しても、感慨深さを感じているのだと分かります。
数え切れない可能性
降り続く雨は やがて 上がる
かくれてた 青い空は どこまでも 広がってく
出典: 今日もどこかで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
ここでいう「雨」というのは、悲しみや苦悩の象徴として使われているのでしょう。
「やまない雨はない」という、昔から慣れ親しまれた表現があります。
苦しい時期もいつかは終わるということをいいたいのでしょう。
そしてそうした言葉をいえるのも、主人公がその雨の時期を乗り越えたことで幸せを手に入れたからなのではないでしょうか。
彼は私たちに対して、もし今苦しんでいてもその時期はいつか終わると伝えたいのでしょう。
彼が伝えたいのは、私たちを陰ながら支えてくれる他者の存在です。
普段生きている中では気がつかないような小さな優しさに、私たちは毎日救われています。
そしてそれが時に大きな力を持って、私たちの未来を切り開いてくれることもあるのです。
私たちには、大空のように数え切れないほどの可能性や、出会いが存在しています。
もし今苦しんでいても、そうしたものが人生を救ってくれるに違いない。
小田和正はそんな未来を私たちに伝えることで、人生の頑張り方を教えようとしてくれているのでしょう。