トリッキーなハードロック
ハードでキャッチーなギターリフ。
ジミ・ヘンドリックスの「パープルヘイズ」のオマージュのような印象を受けます。
そして意気揚々と轟くメロディ。
彼らの楽曲らしい効果的な転調や独特な趣きを感じさせる間奏など、斬新なアイデアが盛り込まれています。
2019年に発売されたB'zのアルバム『NEW LOVE』に収録された「マイニューラブ」はそんな楽曲です!
一聴すると失恋を歌っているようなこの曲の歌詞を徹底的に紐解いてみました。
稲葉さんが織りなす独創的なメッセージにどっぷり浸かってみましょう!
「マイニューラブ」の1番の歌詞を解釈
1番Aメロ
いくら思いが強かろうと
良い塩梅に愛されない
現実を知った朝のSunlights
骨身に沁みて痛い
出典: マイニューラブ/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO
歌詞の主人公が、恋人を一方的に愛しているだけだと気づいたのでしょう。
朝焼けと共にそんな事実を受け止めるなんて…。
陽の光に照らされた主人公の渋い顔が浮かんできます。
普通なら朝陽からは希望に満ち溢れているような印象を受けますが、この曲は違います。
心の鬱屈を表しているのでしょう。朝陽が痛いと言っているのですから。
恋人と過ごした夜に何かショックを受けるようなことがあったのかもしれません。
詳しくは歌われていないのですが、恋愛におけるお互いの温度差に愕然としてしまったのでしょう。
「俺はこんなに愛しているのに、向こうはサバサバしている…。」
恋をしたことがある人なら、この感情が理解できるのではないでしょうか。
「愛している」の表現方法の違いで、焦ったりパニックになったりしてしまうのです。
「もしかすると、向こうは俺のことを好きじゃないのかもしれない。」
それが事実かどうかはさておき、主人公はそんな状態に陥っているのだと思います。
果たしてこんなネガティブマインドから立ち直ることはできるのでしょうか?
1番Bメロ
Ride on time ここにゃいられない
出典: マイニューラブ/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO
“ride on time”は「乗り遅れるな!」と訳すとよいでしょう。
Aメロの歌詞と照らし合わせると、朝陽の当たる部屋から逃げないといけないという感じでしょうか。
“ここ”は「この恋」を表しているのだと思います。
精一杯相手に尽くしてみたけど、相手のハートを掴むことはできなかった。
それならばいっそ逃げてしまえ!
そんな心情の逃亡劇になっているのではないでしょうか?
落ち込んでクヨクヨしていても仕方がありません。
歌詞の主人公はきっと心の切り替えの早い人物なのでしょう。
恋以外のことも歌っている?1番のサビ
新しい恋のようなもの
見つけに行こうよ
愛しすぎちゃったあの人は
もう戻っては来ない
正解は他にある
マイ・ニュー・ラブ
出典: マイニューラブ/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO
サビで歌詞の内容が大きな転換を迎えます。
“恋のようなもの”と言っているので、恋だけに触れているわけではなかったということです。
主人公が葛藤を抱えている相手はシンプルに恋人というわけではないかもしれません。
自分が抱えていた夢や希望を恋や愛に喩えていた可能性もありますね。
稲葉さんの歌詞でよく見られる作りです。
一聴すると恋愛について歌っているけれど、同時に他の意味も込めているという手法。
そう考えると「新しい恋人を探しに行く」イコール、「新しい夢を探そう」となります。
Aメロからは、主人公は太陽が昇るまで悩んでいた印象を受けます。
もしかすると夢にやぶれて眠れなかったのかもしれませんね。
でもまだ他にやりたいことがあるかもしれない。
その何かを見つけるために外に繰り出したのです。
「マイニューラブ」2番の歌詞
2番Aメロ
なんの罪もない車窓の風景
そんなんでさえ泣けるよ
この感情のアップダウンこそ
生きていく原動力
出典: マイニューラブ/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO