2007年リリースのアルバム『エトセトラ』より
今回ご紹介したいのは日本を代表するロックバンド、ONE OK ROCKの楽曲です。
彼らの3枚目のアルバム『エトセトラ』に収録されているアルバム曲、タイトルは【後悔役に立たず】です♪
ファンの方なら言うまでもなくご存知ですね。
ONE OK ROCKを最近聴きだして興味を持っているという方にはぜひおすすめしたい1曲です。
現在世界中でその名を轟かせ、性別年齢を問わず熱狂的に愛されている彼ら。
世界で活躍する姿を見ていると、日本人としてとても誇らしいですね。
お届けする本楽曲は若かりし頃の“後悔”が詰まった切ないストーリー。
あの時どうすればよかった?歌詞から見えてくるメッセージとは?
動画と共にご紹介していきたいと思います。
筆者独自の歌詞解説になりますが、読者の皆さんならどう解釈するか比べながらお楽しみください。
歌詞から紐解く彼らの伝えたいメッセージとは
本楽曲の登場人物は主人公と「君」です。
恋愛、友情、親子関係として幾通りかのストーリーを想像できる歌詞になっています。
筆者は最初に本楽曲を聴き、歌詞を見た時には彼女と別れることになった失恋ソングかと思いました。
しかし何度も繰り返し聴き、歌詞の意味を探っていくとある仮説にたどりついたのです。
今回はその仮説に基づく独断と偏見での解釈をしてみたいと思います!
反発する息子と、愛しているからこそ厳しくする親の想い
時計のハリは今日という重なりを脱ぎ捨てて
明日という日を迎えに行こうと身支度を始めた
それでもまだこのリュックには
何を詰めて良いかは分からない 分からない Yeah
出典: 後悔役に立たず/作詞:Toru、Taka 作曲:Toru、Taka
唐突に“進行中”の物語がスタートです。
前半の2行は自分のことではなく「時計の針」で時間の経過を表しています。
「今日という~」は短針と長針が重なりあうこと、つまり日付跨ぎを指しているのでしょう。
そして「明日を迎えに」というワードから見えてくるのは現在は深夜0時を過ぎたという事実です。
そんな遅い時刻に主人公は何をしようとしているのでしょうか。
それは3,4行目から読み取ることができます。
「わからない」状況であることから察するに、おそらく主人公は突発的に家を出ることになったのです。
そしてこの言い回しはあたかも自分の意志ではなく、そうさせられているというニュアンスです。
なぜこのような状況になったのか?それが主人公にもはっきりとはわかっていないのかもしれません。
すこし不安で不満な様子がこの歌詞からは感じとれます。
思ってもないことを口走ってしまった主人公
先ほどまでの歌詞の中から分かることは、もしかしたら親子喧嘩直後なのかもということ。
例えば、「こんな家出てってやるよ!」などと思ってもいないことを口走ってしまったのかもしれません。
自分のやりたいことや夢について、親に良くないことを言われたのかもしれません。
売り言葉に買い言葉で、まだ大人になり切れていない主人公は思わず「家を出る」宣言をしてしまったのかも。
私たちにも経験があるような親子喧嘩です。
「じゃあ出ていきなさい」と言われ、引っ込みがつかなくなってしまった主人公なのではないでしょうか。
そう考えると、何を持ったらいいか分からない気持ちは理解できますね。
そして時計の針が前に進んでしまって、出て行かざるを得ない状況に追い詰められていることもわかります。
前向きに捉えないと、悲しみが押し寄せてきそうで
大切なのは何を学ぶか?そこで何を得るか?だけど
果たして僕は明日という日から何を得られるかな?
無理やりにでも君は僕を旅に出させる気だね?
出典: 後悔役に立たず/作詞:Toru、Taka 作曲:Toru、Taka
ここではさっきまでの不安は一転、努めて前向きに考えようとしているのがわかります。
言ってしまったことを後悔する気持ちもあるのかもしれません。
しかし、主人公は「ごめんなさい、出ていくのはやめるよ」ではなく、これを岐路と考えます。
まさに“可愛い子には旅をさせよ”の親心をも、主人公は理解しているではないでしょうか。
誰にでも経験があると思います。つい、勢いで口走ってしまい、それを行動にしなければならい事が。
しかし後悔して嘆くのではなく、行動してみると意外と新しい発見や希望が見いだせたり。
親元を離れて1人でやってみようという覚悟も感じられます。
最後の歌詞では、主人公の中で再確認をし納得しなければという想いが垣間見えています。
愛があってのことだったと悟る
飾って笑った 笑顔の裏に
泣いて崩れた君がいたんだね
なおも君は笑ってくれたね
こんな僕を支えてくれてありがとう
出典: 後悔役に立たず/作詞:Toru、Taka 作曲:Toru、Taka
あの日家を飛び出した主人公。
ここでは、これまで育ててくれた母のことを考えているのでしょうか。
ふとした時に恋しくなる家族に想いを巡らせ、もしかしたら色々なことの辻褄があったのかもしれません。
自分本位な言動で沢山傷つけてしまったことに気が付いた様子です。
いつも笑顔だった母。しかし、本当は沢山泣かせてしまったことを主人公は悔いているのでしょう。
離れて分かる親のありがたみ。
あの時なぜ家を飛び出したのか、なぜ啖呵を切ってしまったのか…。
そんな後悔と共に母に対する感謝の気持ちが伝わってきます。