「童神」どこかで聴いた覚え、ありませんか?

突然ですが、みなさんはこちらの曲に聞き覚えはありませんか?

歌手の夏川りみさんが歌うこの曲は「童神~ヤマトグチ~」

沖縄の楽器・三線の奏でるメロディーに沖縄の言葉を乗せた、美しい子守歌です。

2003年、夏川さんこの曲で第45回レコード大賞金賞を受賞しました。

童神~ヤマトグチ~
夏川りみ
ビクターエンタテインメント

実はこの曲はカバー曲なんです。

「童神」(わらびがみ)という原曲があるのをご存知でしょうか。 

歌っているのは、古謝 美佐子(こじゃ みさこ)さんという沖縄出身の歌手です。

古謝さんは「童神」の作詞も行っています。

「童神」は沖縄や奄美出身の歌手に愛され、夏川さん以外にも多くのアーティストがカバー曲をリリース

2002年2月~3月には、シンガーソングライター山本潤子さんの歌う「童神(わらびがみ)〜天の子守唄」が、NHK「みんなのうた」で放送されました。

他にも、テレビ番組「THEカラオケ★バトル」で何度も優勝を重ねた城南海さんや、ボーカル&ダンスグループ・SPEEDの元メンバー島袋寛子さんが名を連ねているんですよ。

「童神」がどこか懐かしい旋律に思えるのは、たくさんの人がカバーし、いろいろな場面で私たちの耳に入ってきたためかもしれませんね。

古謝美佐子さんってどんな人?


『童神』を作詞し、歌っている古謝美佐子さんの経歴を追ってみました。

9歳でレコードデビューした沖縄民謡歌手

笑顔が素敵な古謝美佐子さんは沖縄県嘉手納町に生まれました。

古謝さんは2歳頃からお母さんに連れられて、よく沖縄芝居を見に行っていたそうです。

そこで流れていた沖縄民謡が古謝さんの運命を決めたと言っても過言ではありません。

この沖縄芝居をきっかけに、古謝さんは沖縄民謡に親しむようになったそうです。

その後、古謝さんは5歳で三味線を習い始め、舞台に立つようになります。

そして、なんと9歳にしてレコードデビューを果たしたのです!

1986年にはミュージシャン坂本龍一さんのアルバム作成やツアーに参加。

音楽面のみならず精神面でも大きな影響を受けたという坂本さんとの交流は、今でも続いています。

古謝さんは今も沖縄民謡歌手として鋭意活動されています。

9歳の頃から数えると54年間も大舞台で歌い続けているなんて、本当にすごいアーティストですよね!

人を癒す希有な声の持ち主

皆さんもご存知の通り、奄美沖縄出身の歌手は「グイン」と呼ばれる特殊な"こぶし"を回して歌を歌います。

この特徴的な歌い方が聴く人の心を惹き付けるのですが、古謝さんの持つ声の魅力はそれだけではありません。

音響の研究者によると、古謝さんの声は"人を癒したり健康を促したりする「高周波数」と「ゆらぎ」が同時に存在"する、とても珍しい声なのだそうです。

私たちがつい聴き入ってしまう歌声には、そんな秘密があったのですね。

初孫を祝った曲が世界へ

「童神」を歌う古謝美佐子って?!夏川りみ、城南海もカバーする名曲の歌詞の意味が超感動的!の画像

古謝さんは歌だけでなく、三線・琉琴・指笛などの楽器演奏や楽曲の作詞も行っています。

「童神」は、古謝さんが初孫の誕生を祝って作詞をした楽曲なのです。

それが「みんなのうた」となり、多くのアーティストにカバーされ、NHKドラマ『ちゅらさん』や『八日目の蝉』の挿入歌となって多くの人の耳に届くようになりました。

ニュージーランド出身の歌手ヘイリー・ウェステンラさんも「童神~ヤマトグチ~」を歌っています。

「童神」は、まさに"歌い継がれて成長する曲"

後世に伝わり、歴史に残る音楽となるかもしれませんね。

「童神」の歌詞に込められた意味とは

タイトル「童神」とは”生まれて間もない子どもは純真無垢で神のような存在である”ことから名付けられたタイトルです。

歌詞の中で登場する「イラヨーヘイ イラヨーホイ」「ヘイヨ―」は歌の調子を取るための"囃子言葉"。

今は特に意味の無い言葉と言われています。

それでは、私が解釈した「童神」をオリジナルの歌詞と一緒にご紹介します。

1番