押さえつけていた感情
泣いたら負けだと慣れようとしたが
悔しい悲しい感情が なくなるほうが嫌だ
出典: 緑のハイヒール/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
懸命に立ち直ろうとしている主人公の心情がうかがえます。
決して泣くことが当たりまえになってはいけない。
いつまでも立ち止まってはいられないと、うつむきがちだった顔を上げ前へ進もうとしているのでしょう。
主人公にとって、過去の心残りを押し殺してまで生きていくのは泣くことよりも忌み嫌うからなのです。
ホントにいいの...?
君の前で 恥ずかしい話しても いいの?
僕の心の中を 見てよ
ここは 焦げてしまったけど まだ動いてるよ
出典: 緑のハイヒール/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
楽曲では一人称の「私」と「僕」を、シーンによって使い分けていると解釈します。
主人公は恋愛に対し、極端に臆病となっているのでしょう。
「君」という男性が現れ、新たな出会いが訪れようとしています。
次の恋へと進めず立ち止まっていた主人公。
まだ誰にも見せたことのない自分を、ゆっくりとさらけ出そうとしているのです。
「君は、こんな意気地なしの私を受け容れてくれるの?ホントにいいの?」
恋愛に発展していくであろう2人。
何度も聞き返しているような情景を想像させます。
心は1度真っ黒になってしまったけど、まだ辛うじて残っている真ん中までは燃え尽きてないよ。
私から目を背けないでと、また泣き出しているのかもしれません。
「君」は「私」の、心の鍵を開けてくれる大切な存在なのです。
新しい居場所に出逢った主人公
不協和音から心地いい音へ
抱きしめあうと 心臓の音が心地よくなる
君は初めて全てさらけ出せると思えた人
出典: 緑のハイヒール/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
「君」と呼ばれる男性は、主人公よりずいぶんと身長が高いようです。
ギュっとハグしあうと、ちょうど顔の位置が懐へとすっぽり収まり包まれたのでしょう。
心音を聞いたことにより安心し、恋愛に臆病になっていた心の足が再び一歩前へ踏み出そうとします。
ただなんとなく恋愛していた頃の自分では、感じたことのないドキドキが追いかけてくるのです。
これまで聞いたどんな音に比べても新鮮だったのでしょう。
以前なら不協和音しか聞こえなかったはずの主人公。
男性の心音に経験したことのない安らぎを感じ、新たな場所を見つけたと確信したのです。
全てを受け容れる「君」
僕にでっかいナイフが刺さっていても
それごと抱きしめてくれるのはどうしてなの
出典: 緑のハイヒール/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
なにやら物騒な言葉です。
過去に負った心の傷が深く残っている有り様を生々しく物語っています。
それほど主人公にとっては、大きく避けがたい障害だったのでしょう。
前述にある歌詞の「悔しい悲しい感情」とは、もしかすると元彼がらみだったのかもしれません。
いつも一緒で、当たりまえのように2人が居たはずのグループライン。
何らかの理由で主人公は居づらくなってしまったとも考えられるでしょう。
本意ではないものの、最終的には自分からグループを抜けたのだと推察します。
歌詞を読み取ると、「ナイフ」という危なっかしい言葉に行き着くことも納得がいくのです。
2人で乗り越えていこうよ、と男性が優しく包み込みます。
主人公は、温かい巣にその身を全て委ねようとしているのです。
開きだす心の扉
あぁ怖いよ
止まってた感情が また また また動き始める
出典: 緑のハイヒール/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき