インディーズとしてリリースしたCDのトリに収録
2013年4月にリリースされたCD「ザ・パスト・マスターズ Vol.1」に収録されている「切ないほど」。
CDはこのようなコンセプトでリリースされました。
本作には、これまでに発売されてきたゴールデンボンバーのオリジナル・アルバムやベスト・アルバムから選曲されなかった曲と、当時ニューシングルとしてリリースされていた「Dance My Generation」と、そのカップリング曲2曲、配信のみでリリースされた「泣かないで」「ICE BOX」の2曲、さらに新曲1曲の計16曲を収録。そのため、裏ベスト・アルバムという趣が強い。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ザ・パスト・マスターズ_Vol.1
通常よりゴールデンボンバー色が濃い目の楽曲が16曲集められたアルバムです。
ファン待望のCDはオリコンの売り上げ第1位も記録しました。
全16曲の最後に「切ないほど」は満を持して登場します。
歌の主人公の「僕」は彼本人であることは間違いないと推察します。
「切ないほど」に自分を注ぎ込んだ歌詞の意味を考察していきましょう。
今の自分にあるのは後悔だけ
心に住み着いた苦悩を…
切ないほど切ないほど君に揺れた
あの日々は一体何だったの?
出典: 切ないほど/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
自分の心の中にあるのはどこへも持って行きようのない感情だけです。
好きという気持ちを「揺れる」で表現をしました。聴く側の心をくすぐる言葉が選ばれています。
歌の主人公の君が好きという気持ちはただの好きではありません。
心をわしづかみにされたように心を揺さぶられたのです。
ところが今心の中にあるのは、表に出すこともためらうようなどす黒く渦巻く後悔。
君のために使った計り知れない時間は何の為だったのか?恋という無償の行為が虚しいだけのものに変わります。
心の中から消えない君と頭を抱えたまま、僕はここから一歩も動けません。
具体的な数字が「切ないほど」に迫ります
現状の辛い状態の告白から始まった歌詞。この後も自分の感情を吐き出し続けます。
歌が「切ないほど」迫ってくるのは、具体的な数字の使い方にもあるようです。
そこまで続いた恋なのに
何故かな?涙も出る気配が無い
いつもの僕じゃない
解っているドップリ汚れたんだろう
ここ2年で特に
出典: 切ないほど/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
あまりにも衝撃的で悲しい出来事に出会うと、茫然として泣くことさえも忘れてしまいます。
歌の主人公も今この状態に陥っているようです。
普段であれば泣いてわめいて憂さ晴らしをすれば、それで終わるのに、今回は違います。
悲しく苦しいはずなのに感情が追い付いてきません。心も身体も動かない自分を持て余すだけです。
そして身も心も捧げるように付き合った期間は「2年」という具体的な数字が示されました。
作詞家・鬼龍院翔が身を持って体験した付き合いの期間。1年でも3年でもない、2年という微妙な期間です。
1年位なら別れは仕方がないかも…。3年続けば将来の話の1つも出てくるとき。
2年で迎えた別れはどこか尻切れトンボで納得ができません。僕の心に残されたのは「汚れ」だけ。
汚れたのではなく『汚された!』と怒りをぶつけたくても、君はもういません。
恋愛だったはず
恋をしていた筈だろと
自分自身に問いてみりゃ
ズダ惚れ!!だったが何だ?この
後味の悪さは…
出典: 切ないほど/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
初めての恋ではありません。2度3度と経験を重ねて恋には慣れていたはずです。
今回も自ら納得して恋愛の中にいました。それは明るく正しい恋愛。
年甲斐もなく、恋に恋するように君が好きでした。
心がズタズタになるくらい好きな人との別れは、ズタズタが傷になって終わります。
身も心も滅ぼすような恋が残したものは苦しみだけです。
現状を四文字熟語にすると、自暴自棄なのか自業自得なのか、それとも両方なのか。
ゴチャついた感情はこの後も絡み合って転がっていきます。