恋が終わるとソングライターは臨時休業?
酔って忘れるなんて…ムリ
綺麗な涙も 真っ直ぐな歌も、
何も生まれない
そっとしていてほしいような
寂しいような恋の終わり
今までと違う感情は
良く知らない奴に飲まされたテキーラ
心鈍らせて また汚れる
出典: 切ないほど/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
最近どう?と何も考えずに聞いてくる友達に今会ったら、返す言葉がスムーズに出てこない気がします。
いつもなら何も考えずに「まあまあかな…」なんて答えるけれど、今日は無理。
できれば今日は誰にも会いたくないし君のことを聞かれたくありません。
期待されている次の歌と君との恋の話。歌なんて作れないし君との恋も終わりました。
両想いと信じていたのは自分独り。今回の恋は錯覚だったのかも。
知らずに飲んだアルコール度の高いお酒のような現実逃避をしていた恋だったの…。
終わった恋を忘れるためにグラスを重ねれば悪酔をするだけです。
ここでもまた心が汚されました。終わった恋も一緒に汚されたままでグラスの中を漂っています。
そこまで言わせるの?
変わったよ君も僕も周りも
言うなれば日本も
生きるとはなんと寂しいのだろう
一生ゲームして死にたい
出典: 切ないほど/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
恋が終わってこんなに苦しく悲しい状態にいるのは原因があるはずと、考え始めました。
出した結論は少し範囲を広げ過ぎたかもしれません。
ピンポイントに人を責めることはしませんでした。というより出来なかったのです。
そこは作詞家・鬼龍院翔の優しさともいえます。
あんなに楽しい恋の時間を過ごしていたのに心変わりをした君。
君から別れを告げられて君のことを恨んでいる僕。僕を見る周りの目も暗く変わりました。
気が付けば今生きている世界の空気そのものも淀んでいます。
君が悪いわけではない、悪いのは取り巻くすべてとため息のように吐き出しました。
引きこもってゲームして過ごす?なんてネガティブな選択肢で現状をやり過ごすだけです。
優しさゆえにたどり着いた結論への道のりを「切ないほど」掘り起こした歌詞ですね。
現実がドンドン押し寄せます
いつまでも綺麗だよ…君だけは
増えていく歳と白髪にも
いつかは慣れてゆくのでしょか?
君の面影はそのままで
僕だけが老けてゆく
出典: 切ないほど/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
誰でも1年に1つずつ年齢は増えます。年を経て起こる変化は劣化ではないはず。
かといって、ハリの無い肌や白い方が多くなる髪の毛は簡単に受け入れられません。
このまま進めば老化という変化を毎日見る日々がやってきます。
でも思い出の中にいる君は何も変わりません。僕が好きだった君のままです。
変わっていくのは僕だけ。後ろ向きに進むような感覚が僕に残されました。
夢を追いかけるなら
切ないほど切ないほど流れて行く
思い出の中の君が死ぬ
あの恋の歌も今では大嫌い
何も残らない
もっと違う世界だと思ってた
僕の三十路
このまま何処まで落ちようか
平凡な仕事が嫌だったくせに
雁字搦めで歌う僕を笑えよ
出典: 切ないほど/作詞:鬼龍院翔 作曲:鬼龍院翔
自分の思いだけではなく、共感できるワードをすき間に埋め込んだ歌詞が「切ないほど」心に迫ります。
終わった恋はもう思い出すのも嫌なものになりました。
仕事もプライベートも、落ち着きが求められるアラサーと呼ばれる年代。
意識をしなくてもその年代になればこれまでとは違う大人になれると想像していました。
でも気が付けば以前と変わりなく夢を追い続けている自分がいます。
恋愛をしていたときは君も僕の夢を応援してくれたのに、先に夢からリタイアしたのは君。
夢を追いかけるのは自分が決めたと納得しているけれど、周りの冷ややかな視線も分かっています。
笑いたいなら笑えばいい、夢が叶うことを信じているから。
「いつか見返してやる」という強さと開き直りがこの後の成功につながったのですね。
アラサーだけではなく、夢を追いかけているすべての年代に贈る歌詞にも聴こえます。