表情から作られる感情
あまりにも辛い事態に直面した時、涙ではなく笑いが出てしまったことはありませんか。
実証はされていませんが、このような仮説があります。
表情フィードバック仮説(ひょうじょうフィードバックかせつ、英語: Facial feedback hypothesis)とは、「表情がフィードバックされて、その表情の感情を引き起こす」という仮説。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/表情フィードバック仮説
心が動くことで表情が作られるのとは逆に、表情を作ることで感情をそれに寄せられる。
仮説ではありますが、同じような論理で「辛い時こそ笑え」と言われたことのある方も多いかと思います。
しかし、おそらくこれは誰かに強いられたものではなく、自発的に生まれた笑みです。
明らかに楽しい感情は抱いていないのに、なぜ笑ってしまったのでしょうか。
心が壊れないように
恐らくですが、この時の笑みは、防衛機制の一種ではないかと推察されます。
あまりにも衝撃的な事柄に面した時、人間は心に大きなショックを受けます。
それによって心が壊れてしまわないように無意識に行動がとられるのです。
目にした光景があまりに衝撃的で、受けるダメージが大きすぎた。
だからこそ顔は笑みを作り、感情が少しでもプラスの方向に振れるようにしたのかもしれません。
大きな大きな悲しみによって、心が壊れてしまわないように。
心を「解き放つ」には
けれどその笑みは、心からの笑みではありません。
咄嗟にとられた反応は、いわば応急処置です。
作り笑いもずっと浮かべていると疲れてしまうように、効果にも限界があるでしょう。
では、その場に立ち会った人々は、どうすればよいのでしょう。
心が完全に壊れてしまわないためには、どうしたらよいのでしょうか。
"唄"が持つ力
語られるのは、答えではなく
曲には、その問いへの答えが書かれているわけではありません。
ただ、がれきと化した街を見つめた時と、その後の風景が描かれているだけです。
その時の人々、そしてもしかしたらその後災厄に遭ってしまった人々も同じように経験したかもしれない"夜"。
彼らはその時間をどう過ごしたのか。
その描写からは、困難な事態に直面した人々の"祈り"が見えてきます。
かけ声とともに
ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 焚き火を囲む 吐く息の白さが踊る
解き放て いのちで笑え 満月の夕
出典: 満月の夕/作詞:中川敬,山口洋 作曲:中川敬,山口洋
「ヤサホーヤ」という掛け声について、中川さんは次のように語っています。
貝殻節は鳥取県の民謡です。
けれどなぜ関西の方々に認知度が高く、口ずさめるほどであったのか。
一つの仮説として、NHKのドラマ「夢千代日記」に使用されていたことが挙げられます。
吉永小百合さん主演のこのドラマによって、貝殻節も全国に知れ渡ることとなったのです。