YOSHIKI率いるX JAPAN
満身創痍のYOSHIKI
バンドを率いるYOSHIKIは、その華やかな外見や伝説を呼ぶ行動からは一見想像できませんが、長い間健康問題に悩まされてきました。
まだX JAPANが改名する前、Xであった頃のYOSHIKIのパフォーマンスを見たことがある方なら想像がつくかとも思いますが、激しくヘッドバンキングしながらドラムをたたく姿がトレードマークでした。
そうしたプレイなどが原因でキャリアの若いうちから頸椎椎間板ヘルニアなどを発症、その先のYOSHIKIの音楽人生にずっと影響をもたらすことになります。
1995年から1996年に行われたツアーの最中、YOSHIKIはついに公演中に倒れてしまい、医師からは”次にこうなると車いすになる”といわれてしまう程となりました。
このツアー以降、YOSHIKIがドラムを演奏する際には首にコルセットを装着するようになっています。
その痛々しい姿は、見ていても辛くなってしまうほどでした。
緊急手術発表!
2017年5月9日、ファンにとっては突然のYOSHIKIの緊急手術が発表されました。
YOSHIKIの頸椎は、まるで引退せざるを得ないラグビー選手のようなダメージを受けており、このまま放置するとアーティストとして再起不能になるという医師の判断によるものでした。
7月からのジャパン・ツアーを控えた時期だっただけに、日本とアメリカの医師、双方でかなり協議された様子が伺えましたが、手術は不可避という結果となったようです。
放置すればアーティスト生命のみならず、日常生活もままならなくなる可能性もあったとのこと。
しかもYOSHIKIは2009年にも一度頸椎椎弓切除・頸椎椎間孔切除手術を受けており、今回は二回目になるので人工椎間板置換手術を行うことになりました。
数時間にも及ぶ大手術でしたが、無事に手術は終了。
手術後にはスタジオへ直行!
余談ですが、ここでもYOSHIKIは伝説を作っています。
なんと麻酔から覚めたとたん、レコーディングがしたいと言い出しそのままスタジオに行ってしまったとか。
スタッフや医師の説得により30分ほどで戻ったそうですが、なんともYOSHIKIらしいともいえますね。
ツアーはセットリストを変更して敢行
ぎりぎりまで検討されたそうですが、7月のツアーは、セットリストを変え、開催されることが発表されました。
YOSHIKIの体に負担のかかるドラムの演奏はせず、全編アコーステックで行われることになったのです。
バンド、ファンともに不安を持って臨んだツアーでした。
蓋を開けてみればそのセットリストは素晴らしく、またアコーステックで演奏されることによって新しい魅力が発見された、奇跡のようなツアーとなり、大盛況のまま無事終了しました。
しかし、やはりYOSHIKIのドラムプレイも見たい!という声もあったのも事実。
YOSHIKIのドラム解禁はいつになるのかと、心待ちにされていました。
紅白で強行演奏!?
そこでなんと、年末のNHK紅白歌合戦でYOSHIKIがドラムを演奏するというニュースが入ってきました。
期待半面、もう大丈夫なのか、無理はしてほしくないとネット上もざわつきます。
「ENDLESS RAIN」、そして披露されたのは……
NHKホールが興奮の渦に……!
いよいよNHK紅白歌合戦当日、X JAPANの出番になり、まずは「ENDLESS RAIN」を披露。
ジャパンツアーのファイナルで演奏され、YOSHIKIが涙を流した曲だけに会場も一体となって聞き入ります。
このまま終わるのかな……と思ったら!
なんと名曲「紅」のイントロが!
NHKホールが突如としてライヴ会場のような盛り上がりを見せ、YOSHIKIがドラムセットに位置すると、もう大興奮の嵐でした。
いつものYOSHIKIのドラミングとはいかなかったですが、でもついにYOSHIKIのドラム復帰が見れたことにファンは感極まったのではないでしょうか。
心配だったのが、YOSHIKIのことだからまた無茶をしたのではないかということ。
でもちゃんと”一曲だけならOK"と医師から許可を得た範囲でとのこと、ファンは胸をなでおろしたことでしょう。
紅白初出場はいつ?
ちなみにX JAPANは2017年の出場を合わせて8回NHK紅白歌合戦に出場しています。
意外と多いですよね。
そんな彼らの初々しい初出場は、第42回、1991年のこと。
まだバンド名がXで、TAIJIもHIDEもいた頃ですね。HEATHの加入前ということになります。
演奏曲は「Silent Jealousy」でした。
当時の髪を逆立てまくって、化粧したToshiやHIDEの姿を見て、当時”NHKも変わったのねぇ……。”とつぶやいていた大人がいたとかいないとか。
バンドは、あえてNHK紅白歌合戦に出演することでこういうジャンルも世間に浸透していけばいい、と思っていたようです。