月面無人探査コンテスト

1972年、アポロ17号の月面着陸から早46年。

わたしたち人間は月を見上げながらいつの日か実現するであろう、月旅行を夢見ています。

そんな夢を現実の物にしようと、あるプロジェクトが立ち上がりました。

その名も「Google Lunar X Prize(グーグル・ルナ・エックスプライズ:GLXP)」。

非営利組織・Xプライズ財団による運営、Googleがスポンサーとなった月面無人探査を競うコンテストです。

コンテスト優勝チームには最高賞金2,000万ドル

2007年9月、アメリカでスタートした同コンテストは、期間中に規定の条件を満たしたチームに最高賞金2,000万ドルが授与されるものでした。

全世界から34チームが参加登録を行い、最終フェーズまで残ったのはたった5チーム。

Moon Express(アメリカ)、Syneyrgy Moon(国際混合)、SpaceiL(イスラエル)、Teamlndus(インド)、そして日本のHAKUTOのみとなりました。

当初、コンテスト期間は2015年12月31日とされたのですが最終的に2018年3月31日まで延期。

しかし、全チームが期日内にロケット打ち上げを達成することができず、このコンテストは勝者のないまま、事実上の終了宣言がなされてしまったのです。

HAKUTOとは

「HAKUTO(White Label Space)」とは、民間による宇宙ロケット打ち上げプロジェクトで、名前は月に住むウサギ「白兎」に因んでいます。

このプロジェクトには国内外問わず、さまざまな大学、研究所、製作機関の協力のもと開発が進められました。

スポンサーはすべて日本の企業です。

特にオフィシャルパートナーとなったKDDIは月面探査車「SORATO」を使って月から地球へ720pのHD画質動画を8分間、送出させるミッションに関わりました。

それが「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」です。サカナクションは同プロジェクトの応援歌「SORATO」を提供しました。

SORATOを月に運ぶ

HAKUTOは、SORATOを月に運ぶため、インドの探査チーム「インダス」が開発するロケットにSORATOを乗せてもらう“相乗り”契約をしました。

ロケットの打ち上げは2017年12月28日を予定していたのですが、インダスが資金難と開発の遅れによりロケットの調達に失敗。

これによりGoogle Lunar XPRIZEが設けた期限中にロケット打ち上げができなくなり、プロジェクト断念となったのです。

しかしHAKUTOの代表・袴田武史氏はXプライズ財団に期限の延期要望をしましたが、勝者なしでコンテストは終了となってしまったのです。

それでもHAKUTOは開発の手を緩めることはありません。

2018年3月26日、HAKUTOは鳥取砂丘にてSORATOの走行試験を報道陣に公開しました。

コンテストは終了しましたが、次世代の宇宙開発につながるプロジェクトは終わっていないのです。

au×HAKUTO MOON CHALLENGE

au(KDDI)とHAKUTOの共同ミッションは以下の3つです。

  1. ロボット探査機SORATOを月面に着陸させる
  2. 着陸地点から500メートル以上移動させる
  3. 高解像度の動画・静止画を地球に送信

サカナクションはこの「SORATO」のミッション応援のために、同名タイトルの応援歌を作りました。

月面探査ローバー応援ソング「SORATO」

【SORATO/サカナクション】タイトルは月面探査ロボットと同名!「月」と「孤高」がテーマの歌詞ありの画像

HAKUTOを応援するプロジェクト「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」。

一般の方から募集したメッセージを届ける「1億人のムーンチャレンジ」キャンペーンを実施しました。

そのイメージソングとして生まれたのがサカナクションの「SORATO」。

もともと歌詞のなかった「moon」(12枚目シングル「多分、風。」B面ソング)という楽曲に、山口一郎が新たな詩を乗せました。

月への思いを託す

君はただ空を指差した 流星
流線 月に伸びた

君はまだ探し続けている 流星
流線 空と月の間

君はただ空を指差した 流星
流線 夜に伸びた

君はまだ探し続けてる 流星
流線 空遠くの隙間

出典: SORATO/作詞:山口一郎 作曲:sakanaction

短い詩ですが、広大な宇宙に流れる流星のイメージが湧いてきます。

美しい宇宙(そら)に美しい星。

遠い宇宙の彼方に、HAKUTOの夢が広がっていくようです。