象徴的な「水色」
今回歌詞に注目した「epilogue」は「おいしくるメロンパン」の象徴的な色としての水色が印象的です。
歌詞によって描かれる夏の世界にもぴったりとはまっています。
恋の終わりを予感する内容であるにもかかわらず、切なさとともに美しさのある歌詞となっていますね。
ギターのアルペジオとベースラインが絶妙なハーモニーを奏でているのも特徴です。
これにより独特な世界観が作られているのが感じ取れます。
空と涙
空と涙 溶け合って
流れ出したスプーンストロー
どうか巧くまやかして
君の笑う白昼夢まで
出典: epilogue/作詞:ナカシマ 作曲:ナカシマ
誰かを好きになってしまった時、なんでもない些細なことがとてつもなく嬉しかったりしませんか。
そうかと思えば、ちょっとした出来事で心が張り裂けそうになるくらいに悲しくて苦しくなることもあります。
ここでの「涙」は「epilogue」という言葉からも、悲しみや苦しみの「涙」なのではないでしょうか。
ふわふわとした曲調に合わせるように、涙と共にゆっくりと歌詞の主人公は立ち登っていきます。
そして夏を象徴するような水色の「空」と溶け合っていく。
そんな姿を思い描くことができるのです。
自分が流した涙も、自分の体も、自分の血液も、心も、魂までもが“水色に染まっていく”。
人を好きになるということはこんなにも純粋な気持ちになれるんだという思いが伝わってきます。
綺麗な色を汚したい
まだ汚し足りないのさ
見て水色の血がきれい
出典: epilogue/作詞:ナカシマ 作曲:ナカシマ
ただ、涙を流すほどの気持ちになっていることも忘れてはいけません。
この恋愛に傷つきながら、これからも好きでいていいのかという迷いがあるようにも思えますね。
それでも、今は自分自身を作り出す全てが水色に染まっていてもっと汚れてしまいたい。
そんな思いが感じられます。
水色が象徴するのは主人公の「悲しみ」であると解釈できます。
このまま流れて
2人の関係の中で、ちょっとしたことで感じる不穏な色。
自分が染まっている水色とそれが混じることで、汚れていってしまうことに不安を覚えます。
それでいて、この気持ちを継続していきたいという気持ちもあるようです。
血液が水色になるほどに相手を愛していて、透き通るほどの綺麗な気持ちになっているんだよ。
そうアピールしながらも、この流れを何処かでとめなくてはならないと感じているのでしょう。
一方で、止めずにこのまま流れていくのもいいかもしれない。
そんなふうに、この歌詞に描かれている主人公は葛藤しているのではないでしょうか。
溺れるほどの愛
全てを許せる
どんな嘘も嬉しいんだ
馬鹿だ
透けた指に触れたくて
夏だ
出典: epilogue/作詞:ナカシマ 作曲:ナカシマ
どんなに嘘をつかれていても惚れ込んでしまっていたら、許せてしまうことがあります。
「ごめんね。明らかに私は今嘘つきだけれども、あなたなら許してくれるよね。」
そんな身勝手な信頼がバカにされていると感じ、悔しいと思いながらも反面凄く嬉しかったり。
馬鹿だなと思いながらも、そんなやり取りの1つ1つが自分にはとても貴重な時間と感じるのです。
本当は嘘をついてほしくないのだけれど、それでも嬉しい。
これほどまでに人を好きになることが自分に出来たことに感謝してしまう。
そんな思いが表現されているように感じられます。