中西保志が歌うオリジナルとは、また違った魅力
オリジナルである中西保志バージョンの【最後の雨】は1992年に発売され、ロングヒットとなりました。
この楽曲は、愛する女性を失いたくないという、いってしまえば男の身勝手さを歌った曲でもあります。
それをあえて女性であるMs.OOJAが歌うところに、オリジナルとは違った悲しさを表現する狙いがあるのです。
アニメで歌の世界を表現
モンスターのような変な生物と女の子が登場。
遠くを見つめ、どこか寂し気な女の子と、空気を読まずに突進するモンスターが対照的に描かれています。
歌詞にでてくる傘が、MVではどんな役割を果たしているのでしょうか。
人それぞれ、色んな見方ができるストーリーかと思います。
女性より男性の心にささるMVのようですね。
最後の雨の理由
突然のさよなら
さよなら呟く君が
僕の傘 残して 驅けだしてゆく
哀しみ降り出す街中が 銀色に煙って
君だけ 消せない
出典: 最後の雨/作詞:夏目純 作曲:都志見隆
それでは順番に歌詞をみていきましょう。
場面は街中、前が見えないほどの雨が降っているようです。
そんな土砂降りの雨の中、別れる覚悟を決めた君に呼び出されたのでしょう。
僕は、傘を持って待ち合わせ場所に行きました。
そこに待っていたのは、悲しい目をした君です。
そして一言"さよなら"と、雨の音にかき消されそうなくらい小さな声で呟きました。
僕は君から別れを切り出される日がいつか来ることを、予感していたのかもしれません。
そうとはいえ、こんなにも突然、その日がやってくるとは思ってもいなかったでしょう。
それどころか、予感は当たらないさ、ぐらい軽く考えていたのかもしれません。
なので余りに唐突な別れの言葉に、走り去る君の後ろ姿を目で追うことしかできませんでした。
残された傘が意味するもの
僕の傘の下にいることは、僕の庇護下にいることを表しています。
そこから駆け出すということはつまり、散々悩んだ末に、君は僕のもとから去ることを決めたのです。
僕の心を置いてきぼりにして。
そして降りしきる雨は僕の涙でしょう。
涙が溢れ、もう前が何もみえない状態です。
それでも君の後ろ姿だけは、はっきりと捉えることができました。
だって、ずっと愛してきた女性の後ろ姿ですから。
最後の優しさ
最後の雨に 濡れないように
追い掛けて ただ抱き寄せ
瞳閉じた
出典: 最後の雨/作詞:夏目純 作曲:都志見隆
僕ははっと我に返りました。
そして無意識に、でも無我夢中で君を追いかけ抱き寄せます。
最後の雨、そうこれはふたりがもう二度と会うことはないということを示唆しているのです。
それをわかりながら、降りしきる雨から君を守りました。
それが君にしてあげられる、最後の優しさだったからです。
でも、僕の本心は...
これが最後と、思いきり君を抱きしめ温もりと感触を心に刻もうとしています。
瞳を閉じると、ふたりの思い出が走馬灯のように蘇ってきました。
本心は君を抱きしめたまま放したくないのです。
もう一度、やり直したいと思っているのです。
瞳をギュっと閉じたのは、神様お願い、という気持ちを込めてのことかもしれません。