アルバム「Bremen」に収録
アンビバレントな感情を含んだ楽曲
2013年にデビューし、若い世代からの圧倒的な支持によって人気が出た米津玄師。
今回紹介するのは3作目のアルバム「Bremen」に収録されている『ホープランド』という曲です。
「ホープランド」というタイトルから皆さんは、何をイメージするでしょうか?
この言葉を直訳すれば「希望の国」あるいは「希望の世界」、「希望の土地」となります。
タイトルを見て、その中に矛盾や「含み」を感じる言葉は連想されません。
「アンビリーバーズ」と対になる曲だと語られている。明るく壮大な曲調に反して歌詞は陰鬱としており、「暗くなればなるほど、明るい言葉と明るい音でしか表現できなくなる」という米津の音楽表現を体現した楽曲。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Bremen_(米津玄師のアルバム)
一般的に考えると明るい気分の時には、明るい楽曲が作られるとイメージしますよね?
しかし、彼は反対で「暗い気分だと、明るい曲でしか表現できなくなる」といっています。
いわば「暗くなればなるほど、逆に明るい言葉、明るい音でしか表現できない」ということです。
そしてこの曲は、同じアルバムに収録されている『アンビリーバーズ』と対になる曲といっています。
まず『アンビリーバーズ』を聴いてみよう♪
アンビリーバーズとは「懐疑家」という意味
MV中のオオカミは「懐疑家」を象徴する存在
いかがでしょうか?
MVに登場するオオカミ。
いや、オオカミの着ぐるみを着た人間。
いわば「人狼」ですね。
オオカミが象徴するものとして、古来からある説があります。
それは「不信」、「嘘つき」、「懐疑」。
「懐疑」とは物事を疑うことです。
『アンビリーバーズ』ではこの「懐疑」というワードがキーポイント。
逆説的に「懐疑」が表現されている
誰がどんなに疑おうと 僕は愛してるよ君の全てを
出典: アンビリーバーズ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
上に引用したのはこの曲の一節です。
「愛している」とあるように、この曲は恋愛もテーマになっていますね。
主人公は「僕」。
その主人公が「世界中のすべての人が疑っても僕は信じる」と「君」に向かって言います。
ということは、この曲の本当のテーマは「懐疑」ではなく、「確信」ですね。
「懐疑」というのはポーズ。
この曲が本当に伝えたかったことは「信じる力」だと思います。
そのことを踏まえて、まずは今回紹介する『ホープランド』を聴いてみましょう。