人気急上昇中の中性的シンガー

yama【春を告げる】歌詞の意味を考察!「ここ」とはどこを表す?消えゆく世界を楽しむ心模様を読み解くの画像

春を告げる】は2020年の4月に発売されました。

歌っているのは、男の子っぽさと女の子っぽさを兼ね備えた中性的な声が魅力のyamaさんです。

力強くハスキーだけれど、透明感があり澄んでいるyamaさんの歌声。

人の感情を表現するのには、反していると思われるその要素が大切なのだと感じます。

テンションの上がる場面もあれば、下がる時もある。

この楽曲の中でyamaさんの歌声は憂鬱寂しさ億劫などの感情を表現しています。

作詞と作曲はくじらさんが担当。

yamaさんとくじらさんのタッグで、人間の感情をより強く引き出しているように感じます。

そのおかげで歌詞の意味を深く感じ、共感を生んでいるのでしょう。

そして何より、耳に残るメロディー人気の理由に繋がったのだと考えられます。

若者に大人気のTikTokやYouTubeなどでこの楽曲を少し聴くと、それだけで頭から離れられなくなる。

そのような中毒性がこの楽曲にはあります。

Music Video

気だるげな顔で床に寝そべる青年が印象的なMV

春を告げる】はこの「気だるげ」がポイントになります。

上記で説明をした、この楽曲でyamaさんが表現しているもの。

億劫という気持ちや寂しさ憂鬱などの人間の陰に近い感情です。

歌詞にもありますが、この楽曲の中で流れている時間は真夜中。

朝を迎えるにはまだ早い時間に、主人公が考えていることとは一体どのようなものなのでしょうか。

それは便利になった世の中だからこそ感じるものなのだと考えられます。

人の多い都市だけれど

yama【春を告げる】歌詞の意味を考察!「ここ」とはどこを表す?消えゆく世界を楽しむ心模様を読み解くの画像

真夜中の都市で

深夜東京の6畳半夢を見てた
灯りの灯らない蛍光灯
明日には消えてる電脳城に

出典: 春を告げる/作詞:くじら 作曲:くじら

春を告げる】の「春」には、一般的に明るくてワクワクするようなイメージがあります。

しかしそれはみんなにとっての「春」であり、自分はそんな気分になれない。

これは主人公が暮らしているアパートで思いふける様子が描かれています。

1行目にある歌詞は、眠ることで見られるものを指しているのではありません。

昔に思い描いていたキラキラした日常現状を比べた結果です。

あんなものは幻想だ」と少し落ち込んでいるような状態なのでしょう。

2行目にある歌詞では2つの要素が考えられます。

  • 明日が不安で眠れない
  • 生活が厳しくて電気がつかない

この2つが関係しているのでしょう。

1つ目の要素は、3行目にある歌詞から読み取ることができます。

電脳城」とはネオン街などを指す言葉です。

しかしこの空間にはネオン街ではなく、ネオンに近く明かるいスマホの画面を意味しているのでしょう。

そして朝が近づけば眠ることができることから、その光もなくなっているということになります。

2つ目はそのままの意味で、現実は厳しいものだと実感しているのでしょう。

結局はこのままなんだけれど

開幕戦打ち上げて
いなくなんないよね

出典: 春を告げる/作詞:くじら 作曲:くじら

この場面の1行目と2行目の歌詞は矛盾しています。

まず1行目の歌詞は、何かをしようとしている様子です。

この何かに関してはこのあとの歌詞に答えが出ています。

しかしあまりいいものではなく、主人公も「馬鹿げたこと」と呆れているのでしょう。

その呆れている状態が2行目の歌詞です。

2行目の歌詞の前に「まあ」という言葉を付け加えることでその意味がわかります。

この歌詞は自分自身に向けた言葉なのでしょう。

「結局このまま変わらず生きていくんだろうなあ」と言っているように捉えられます。

実体がないから

ここには誰もいない
ここには誰もいないから

出典: 春を告げる/作詞:くじら 作曲:くじら

上記「真夜中の都市」にあったスマホ画面の明かり。

その画面を見ているときは、友達と繋がっていることができます。

しかし、目の前にはスマホしかありません。

みんなが寝てしまうような真夜中では、話し相手もごくわずか。

ふと我に返ると実体がないということに気がついてしまう。

その現実に寂しいと感じているのでしょう。

投げやりになってしまう

疲れてしまった