勇気や希望や 絆とかの魔法
使い道もなく オトナは眼を背ける

出典: 愛にできることはまだあるかい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

逆に言えば、子供の頃は自由に使いこなせていたということです。

何の疑いもなく夢を描いて、友情は永遠に続くものなのだと信じて。

しかし大人になり現実を知るにつれ、徐々に価値観も変わっていきます。

いつしか目の前の幸せを守ることで精一杯になってしまうのでしょう。

この歌詞からは、本当は生きたいように生きたい、夢を追いかけたいという葛藤を感じます。

人生を変えてくれた「君」

それでもあの日の 君が今もまだ
僕の全正義の ど真ん中にいる

世界が背中を 向けてもまだなお
立ち向かう君が 今もここにいる

出典: 愛にできることはまだあるかい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

大人の対比として描かれていることから子供の頃の思い出なのでしょう。

つまり疑いもなく夢を描き、友情は永遠に続くと信じていた頃。

主人公も君も大人になりました。

しかし君の生き方は、大人になった今でも子供の頃と変わっていなかったのです。

その姿に主人公は大きな影響を受けたのでしょう。

どんな現実が待ち受けていても、誰も手を差し伸べてくれなくても、君のように生きていきたい。

現実への反抗と決意を表明しているのです。

「愛にできることはまだあるかい」というタイトルの意味

社会に対して抱く不安

愛にできることはまだあるかい
僕にできることはまだあるかい

出典: 愛にできることはまだあるかい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

サビでは楽曲のタイトルが歌詞として登場します。

主人公にとって君は愛の象徴なのでしょう。

人生が変わるほど大きな影響を与えてくれた君を主人公は愛しているのです。

ではなぜタイトルに“まだ”が入っているのでしょうか。

「愛にできることはあるかい」でも違和感はありません。

それは主人公が今の社会に不安を感じているからではないでしょうか。

地球に人類が生まれてから数百万年が経った現代。

その間にもたくさんの愛が生まれ、育まれてきたことでしょう。

そうして築かれたのが今の社会です。

今の社会をどう感じているのかは、もちろん人それぞれでしょう。

少なくとも主人公にとっては、息苦しい場所

そんな社会をまだ救える手段はあるのか、そんな社会でこれからも生きていけるのか。

“まだ”には主人公の不安が込められているのです。

僕にとっての愛の形

君がくれた勇気だから 君のために使いたいんだ
君と分け合った愛だから 君とじゃなきゃ意味がないんだ

愛にできることはまだあるかい
僕にできることは まだあるかい

出典: 愛にできることはまだあるかい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

君へのたくさんの思いが並べられていきます。

インターネットやSNSが普及し、私たちは文章でコミュニケーションを取ることが増えました。

文字を打つ際に、予測変換を使うという方も多いでしょう。

ですが予測変換は、今文字を送ろうとしている人ではなく、以前他の誰かに送った言葉です。

「愛してる」や「ありがとう」など、強い思いが込もったメッセージほど、予測変換ではなく、1文字ずつ打っていきたい。

たとえ話ではありますが、それほど君と真っ直ぐに向き合いたい恩返しをしたいという思いが伝わってきます。

予測できない人生

運命(サダメ)とはつまり サイコロの出た目?
はたまた神の いつもの気まぐれ

選び選ばれた 脱げられぬ鎧
もしくは遥かな 揺らぐことない意志

出典: 愛にできることはまだあるかい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

生まれたときから運命は決まっていて、それは“神のみぞ知る”ということを表しています。

しかし当の本人は、どう転ぶのか、何が起きるのか予測できないままに生きねばなりません。

その運命をどう捉えるのか。

否定的に捉えて、窮屈だと思い生きていくのか。

肯定的に捉えて、使命だと思い生きていくのか。

たとえ同じ人生を歩んでいくにしても、考え方次第でプラスにもマイナスにもなるのです。

誰かがいるから人は生きられる

果たさぬ願いと 叶わぬ再会と
ほどけぬ誤解と 降り積もる憎悪と

許し合う声と 握りしめ合う手を
この星は今日も 抱えて生きてる

出典: 愛にできることはまだあるかい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎