まさに日本の純ロック「J.Boy」
ベテランながら今世代のアーティストにも支持されている浜田省吾
ひたむきに社会を捉えた作品が多く、当時の若者は大きく影響を受けていたでしょう。
著名なアーティストでも彼の影響を受けた方がたくさんいます。
福山雅治やミスチルの桜井和寿は学生時代からの憧れだという話が有名です。
2018年現在ブームになっているあいみょんも、影響を受けたアーティストとして浜田省吾の名前をあげています。
方向性は若干違えど、彼女の作品からは確かに浜田のフォークロック的な要素を感じますね。
浜田省吾の名ロックナンバー
世代でいうと2018年現在のお父さん世代に広く知られています。
同時は現在のようなソロではなく「愛奴」というロックバンドのドラマーだったのです。
彼はバンド時代から作詞を務めており作曲に関しても才能がありました。
その翌年「浜田省吾」としてソロデビューを果たします。
しかし同年の12月に「愛奴」は解散。
完全に1人で音楽業界を生きていくこととなりました。
デビュー当時は環境に恵まれず、予算の都合でギター1本でのツアーを敢行。
その後も数年間、ヒットには恵まれず不遇の時代を過ごします。
しかし80年代に入ると徐々に頭角を現し、ヒット曲を連発。
そんな中1986年に発表された曲が今回紹介する「J.Boy」。
発表から全てのライブで必ず歌われてきた彼の代表曲です。
当時の世間を風刺していると言われるその歌詞の内容に迫っていきます。
疲れ果てた日
憂鬱な帰り道
仕事終りのベルに
とらわれの
心と体 取り返す 夕暮れ時
出典: J.Boy/作詞:浜田省吾 作曲:浜田省吾
1行目のフレーズに注目してみましょう。
お仕事に限らず何かの節目に鳴るのが「ベル」。
学生さんでしたら始業や授業終わりのベル。
外で遊ぶ子供達は帰宅の合図が5時に鳴るベルです。
そうして日常の中で何かの「終わり」を告げるベル。
しかしこの歌にある大人の世界に於いて、ベルは「解放」を意味しています。
2・3行目のフレーズから察するに、1日中無心に働いていたのでしょう。
これはこの曲が発表された当時だけでなく、2018年現在にも当てはまるフレーズですね。
叩きつける行き場のない怒り
家路たどる人波
おれはネクタイほどき
時に理由もなく叫びたくなる 怒りに
出典: J.Boy/作詞:浜田省吾 作曲:浜田省吾
仕事から解放された帰り道、他にも同じように解放され「家路」を急ぐ人達。
明日もまた仕事なのでしょう。
そして2行目のフレーズ。
「ネクタイ」は今も昔もサラリーマンの象徴。
しかしこの歌に於いてそれは首輪のような物です。
従属の証といったところでしょうか。
それを緩めるのではなく、「ほどき」取ってしまいます。
さらに「時に〜」とあるように、仕事で相当のストレスを溜め込んでいるのがわかりますね。
こんな日にはどこかで一杯やれたらいいのでしょう。
哀れな...
1番のサビです。
やり場のない叫びが響きます。
J.Boy 掲げてた理想も今は遠く
J.Boy 守るべき誇りも見失い
J.Boy
J.Boy
出典: J.Boy/作詞:浜田省吾 作曲:浜田省吾