先生はいろいろなことを教えてくれる存在です。
それは学校の授業であったり、人生で大切なことであったりします。
子どもの頃であれば、先生はなんでも知っている存在です。
歌詞からは聞けば何でも教えてくれる存在だった先生に質問をしている様子が浮かんできます。
その質問は先生であっても簡単に答えを出すことが難しいものでしょう。
時を超えることは実現できないことですが、子どもであれば誰も一度は考えるような質問でもあります。
繰り返すことの難しさ
2周目の あのゲームみたいにほら
結局は 難しくなるだけさ
出典: Time Warp/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
この歌詞は先生からの答えでしょう。
ストレートに実現不可能だと伝えるのではなく、別な答え方をしています。
ゲームに例えて時を超えた先のことを答えているのです。
ゲームは一度クリアしても何度もリセットして遊ぶことができます。
しかしリセットしてもう一度始めても、新鮮な気持ちで取り組むことは難しいでしょう。
さらに一度クリアしているからこそ知っているはずなのに思い通りに進められない場合もあります。
見つかるはずのアイテムが見つけられなかったり、強敵を倒すことができないということもあるでしょう。
一度できたことができないとそのことにもどかしさを感じて最初よりも難しく感じてしまうのです。
それは時を超えたとしても同じことが起こると十分に考えられます。
例え過去に戻ったとしても、結局は最初と同じ感覚や体験はできないのです。
逆に一度経験したからこその難しさがあるのだと推察できます。
思い出全てが宝物
限られた時を駆ける
あの頃に見てた 全てがほら 宝物になる
それぞれが今を生きる 胸に手を当てて
思い出すのさ 僕の Time Warp
出典: Time Warp/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
人の人生は一度きりであり、その時間は限られています。
思い出の中には、その当時に戻りたいと思うものもあるかもしれません。
しかしそれは思い出の中だけにあるもので、時を超えて過去に戻ることはできません。
戻ることができないからこそ、それは大切な思い出であり、宝物になっていくのです。
時間は前に進むばかりですが、その分思い出は自分の中にどんどんたまっていきます。
その全てが自分が生きてきた証です。
そうした数々の思い出を辿れば、その当時の体験やそれによって感じたことも思い出すことでしょう。
それによって思い出の中の時間に戻るような感覚になるのです。
それこそが主人公にとってはタイムワープだったのだと読み取れます。
思い出に隠れた大切なもの
忘れたくない感覚
再々体験を
幾度と重ねても
1ページを めくる時の気持ち
忘れない ドキドキしてたいの
出典: Time Warp/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
人生の中では似たような体験を何度も経験することがあります。
例えば同じ場所へ旅行に行った時に同じ景色を見て似たような体験をすることもあるでしょう。
同じ景色でも以前も見たと思いながら見るのと、いつも新鮮な気持ちで見ているのでは感じ方は異なります。
初めて見たときはどんな景色が広がっているのかという期待や高揚感を抱いていたはずです。
しかし2回目以降は以前の感動を抱きつつも、最初抱いていた期待は薄れてしまうでしょう。
その回数が増えていくほど感動も期待も薄れてしまいます。
しかし主人公は最初の期待や高揚感を何度体験しても忘れたくないようです。
その期待や高揚感を、物語を読み進める時、ページをめくって次の展開を楽しみにしている感覚で例えています。
忘れた感覚を思い出す
限られた時を駆ける
あの頃夢見た 全てがほら ショーウィンドウにある
それぞれが今を生きる 胸に手を当てて
思い出すのさ 僕の Time Warp
出典: Time Warp/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
限られた人生の時間を、人は前に進んで駆けていくしかありません。
駆け抜けていく中で様々なものに触れ、様々なことを知っていきます。
その中には昔は憧れていたけれど、大人になって気に留めなくなったものもあるでしょう。
その中には子どもの頃の純粋な気持ちがあったからこそ憧れていたものもあるはずです。
大人になって現実や理屈を知ったから憧れなくなったものもあるでしょう。
憧れていたこと自体を忘れてしまったものもあるかもしれません。
しかし子どもの頃に夢見ていた気持ちを思い出せば、意外と簡単に見つかるはずです。
それはショーウィンドウに飾られているようにきれいで大切なものなのでしょう。
その憧れも大切な思い出の1つです。
憧れた気持ちを思い出すことで過去に戻るような感覚になっているのだと読み取れます。
今を楽しむためのタイムワープ
Time Warp
僕の Time Warp
Time Warp
僕の Time Warp
出典: Time Warp/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
人生は過去に戻ることも早送りすることもできないものです。
未来のことは自由に想像できますが、実際の未来を見ることはできません。
過去は実際に戻ることができなくても、思い出によって過去の感覚を思い出すことはできます。
もしかしたら今を生きていくためには必要がなくなってしまった思い出かもしれません。
しかし時々胸に手をあてて思い出してみてください。
それは大切な宝物としてきちんと心の中にしまってあるはずです。
その思い出があることで、昔抱いた新鮮な感動や憧れをもう一度感じることができるでしょう。
大人になるにつれて新鮮な感動や憧れを抱くことは少なくなってしまいます。
その中で思い出の中にある感動や憧れが、今を生きる自分の励みになることもあるでしょう。
思い出を抱きながら今を前向きに生きていくことで、それもまた思い出として蓄積されていきます。
そしてこれから先の未来では、今のことを思い出してまた前向きになれるでしょう。
思い出によるタイムワープが今を生きる中で人生を楽しむ1つの方法なのだと感じられます。