青春高校3年C組アイドル部
テレビ東京で2018年から放送されているバラエティ番組「青春高校3年C組」。
AKB48などのグループもプロデュースしている秋元康さんが企画や監修を務めています。
漫画やドラマに登場するような「理想のクラス」を1年かけて作り上げるという内容の番組。
この青春高校には部活があり、アイドル部もその1つ。
そしてその青春高校3年C組アイドル部のデビューシングルが「君のことをまだ何にも知らない」です。
デビューシングルということで、アイドル部の全員がこの曲に参加しています。
作詞は、この番組の企画と監修を務める秋元康さん。
通学途中にある女の子に一目惚れしてしまった、男子学生の片想いの気持ちを描いています。
それでは、この「君のことをまだ何にも知らない」の歌詞について考察していきましょう。
一目惚れしたあの子
今日も会えるかな
混み合う朝の駅で(駅で)
いつも探してしまうんだ
グレーの制服を着た(違う学校)
ポニーテールが目印
エンジェルと僕は呼んでた
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
歌詞の1行目や2行目から、多くの人がいる中で人を探していることがわかります。
探しているのは自分とは違う学校の制服を着た女の子。
いつも同じ服を着て、同じ髪型であることから、僕ははっきりとその女の子のことを覚えていたのでしょう。
「いつも」と歌詞に出てきていることからも、毎日学校がある日はその女の子を探しているのです。
そして歌詞の5行目に「エンジェル」という言葉が出てきます。
とても尊い存在であり、神様のように見えているのかもしれません。
女の子なので、神様に近い存在の「天使」と呼んでいるのでしょう。
僕は今まで平凡な日々を過ごしていました。
彼女はそんな日常から救ってくれた天使のような存在なのです。
しかし、駅でその女の子に一目惚れして、一気に日常が変わったのです。
「毎日あの子に会いたい」「今日も会えるんだろうか」というようなワクワクした気持ち。
その気持ちがあるだけで一気に日常が楽しくなったのかもしれません。
何もない日常から色鮮やかな日常になったのです。
目立たないように
偶然装いながら 同じ電車の二両目に乗って
そっと 連結器の辺りから片想いの君を見ていた
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
そして彼女が電車にいるときは、となりの車両に乗る僕。
車両と車両の間にいて、そこから彼女を見ているのです。
目立たないように意識しているのでしょう。
一目惚れして片想いした相手のことを、端っこからずっと見守っているのです。
彼女に近づきたくても近づけない。
そんなもどかしい気持ちを抱えながら見ているのです。
そしていつ近くに行こうか考えているのかもしれません。
奇跡よ起これ
切ない初恋
初恋と呼ぶには儚(はかな)くて(WOW WOW WOW)
10分しか 一緒にいられない(この電車)
イヤホンで何で聴いているのだろう
君のことまだ何にも知らないんだ
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
僕にとってこの恋は初恋。
初恋であれば実らせたいところですが、電車で一目惚れした子と付き合うのはハードルが高いかもしれません。
絶対に付き合うことができるという確証がないのです。
彼女には彼氏がいるのかもしれない、突然彼女と電車で出会わなくなってしまうかもしれない。
もしそうなれば、一瞬で自分の初恋は終わってしまうのです。
いつ終わってもおかしくないこの状態がとても儚いものであるということがわかります。
そして儚さを表していることが、歌詞の2行目に出てきます。
それは電車に乗っている時間が限られるということ。
違う学校なので、降りる場所も異なります。
1日の間で10分しか一緒にいられないのです。
その10分でいかに彼女との距離を縮めるか。
とても難しいことかもしれません。
そして歌詞の3行目で彼女は音楽を聴いていることがわかります。
さらに話しかけにくい状態です。
音楽を聴く彼女を見て、どんな音楽が好きなのかなど、彼女のことを知りたいのでしょう。
少しでも何か彼女のことを知ることができれば、もっと近づけるかもしれません。
しかし、それはとても難しいことなのです。
短い時間でも同じ空間にいて、こんなに近くにいるのに、僕は君のことを全く知らない。
さらに知ることもできない。
僕はとても悔しい気持ちなのです。
風景の一部
僕だけ降りたホーム(ホーム)
動き始めたその電車
こっちを見てはいるのに(ドアの窓から)
君と視線が合わない
エンジェルよ 奇跡 待ってるよ
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦