コアラモード.のデビューシングル「七色シンフォニー」

コアラモード.の歴史の1ページを飾る曲

「七色シンフォニー」は、コアラモード.のメジャーデビューシングルです。

話題となった漫画を原作としたアニメ主題歌でもあり、聴いた事がある人も多いでしょう。

ピアノとギターを基調とした明るいメロディーと、あんにゅさんのクリアな歌声がさわやかさを感じさせます。

「七色シンフォニー」というタイトルも、明るさや軽やかさを感じさせるものです。

そんな楽しい気分にさせてくれる「七色シンフォニー」ですが、ただ明るいだけではありません。

切なくてほの暗い、ちょっとネガティブな側面も含めているのです。

どんな世界観なのか、「七色シンフォニー」の歌詞を見てみましょう。

アニメ『四月は君の嘘』OP曲

コアラモード.【七色シンフォニー】歌詞の意味を解説!笑顔はどんな力を持つの?ひとりじゃ出せない音とはの画像

「七色シンフォニー」はアニメ『四月は君の嘘』のOP曲でもあります。

漫画大賞にもノミネートされた話題漫画を原作としたアニメで、実写映画にもなりました。

才能と実力を持ちつつもピアノから距離を置く有馬公生と、ヴァイオリニストの宮園かをりの恋と成長の物語。

音楽を題材にした作品ですが、ヒロインであるかをりの秘密結末はかなり衝撃的です。

最後まで鑑賞することで、作品タイトルの意味が分かるようになっています。

「七色シンフォニー」の雰囲気と歌詞は、『四月は君の嘘』と密接にリンクしているのでしょう。

この曲はメジャーデビューシングルであり、アニメ主題歌にもタイアップされたということになります。

これはすごいことではないでしょうか。

コアラモード.がデビュー前から相当な実力を持っていたことが分かります。

君と一緒じゃないと出せない音

楽器を演奏すること自体は一人でもできる筈です。

特にピアノやバイオリンは、それぞれ片方しかなくても曲として成り立ちます。

しかし一人が二人になった時、演奏の雰囲気は一変するでしょう。

奏でる音も同じで、一緒に演奏することで初めて出せる音色があるのです。

それはどんな音なのか?

その音を出せるパートナーは、どんな人なのでしょうか。

忘れようとするのは逆効果

忘れようとすることで 傷が癒えないのは
忘れようとすることで 思い出されるから
僕は 巡り巡り巡り巡り巡ってく
止まった時計の前で 立ち尽くすのはやめよう

出典: 七色シンフォニー/作詞:小幡康裕・あんにゅ 作曲:小幡康裕・あんにゅ

人間、生きていれば忘れたくなるような辛い記憶というものはつきものです。

忘れようとすると、逆に忘れられなくなってしまうことは誰にでもあるのではないでしょうか。

それが何故なのか、この歌詞には書かれています。

忘れようとするものほど忘れられないのは、むしろ忘れようと意識してしまうから。

…これ、実は結構真理なのでは?

人間の脳は、その記憶を繰り返し思い出すことで忘れずに定着するようにできています。

忘れよう忘れようと意識すればするほど、逆にこびりついてしまうのです。

「僕」にはとても辛い記憶があり、忘れたいと思っている。

ですが忘れたいと意識してしまっているせいで、逆に忘れることができません。

ずっとそれが堂々巡りしている状況なのだと思われます。

どれだけその期間が長いか、それは3行目の「巡り巡り…」の数が表しているのでしょう。

この状況である限り、「僕」は前に進めません。

ずっと同じ時間の中に閉じこもっているだけ。

しかし何をきっかけにしたのか、彼は無理に忘れようとするのはやめるようです。

何が起こったのでしょうか。

対の存在

いつまでも 君といたいと
強く強く思うほど
いてもたっても いられなくなるよ
僕は雨 君は太陽 手を繋ごう
僕らはここにいる

出典: 七色シンフォニー/作詞:小幡康裕・あんにゅ 作曲:小幡康裕・あんにゅ

ずっと側にいたいと思える「君」という存在が、ここで登場します。

「僕」が前に進む決意をするきっかけは、この「君」にあるとみて間違いないでしょう。

そんなに大切な人がいたら、隣に並ぶために一層努力するものです。

過去のトラウマなんかにとらわれている場合ではなくなったのかもしれません。

しかし過去に辛い記憶がある「僕」は、自分を「雨」だとたとえています。

雨って、じめじめしていて暗いイメージ。

いつまでも延々と過去を見ている自分は、この雨のようだと感じているのでしょうか。

逆に「君」のことは「太陽」と称しています。

晴れた日のように明るくて、からっとした感じの人なのでしょうね。

雨と太陽、まるで真逆です。

それでも真逆の存在は、互いに惹かれ合う何かがあるのでしょう。

相手の手を携えることで、自分たちの存在を再確認します。

「君」は「僕」にとって、自分を取り戻させてくれる存在のようですね。

二人だから出せる音