また今日も汚れていく街は 蝕む煙を吐き出す
君の知らない遠くへと連れ去ってしまおうか
瞬かない星が一つ 夜明けの街に消えていく
二人ここから 宛てのない明日を探そうか
出典: 二人のアカボシ/作詞:伊藤俊吾 作曲:伊藤俊吾
夜が明けはじめて、工場も動き出しました。
街を汚す工場の煙が、無情にも二人の別れを促します。
「明星」=「金星」は太陽の光を反射して光っています。
「瞬ない星」とは「明星」すなわち「アカボシ」を指します。
とうとう二人の想いを託した「アカボシ」は消えてしまいました。
ここでこの歌の主人公はある決意をします。
今までサビの語尾は「しまおうか」で統一されていました。
しかし最後だけ「探そうか」になっています。
今までは「反語」として書かれていた思いが「決意」に変わった表れです。
彼は彼女を「連れ出す」ことを決めたのです。
決断の時がやってきた
僕の決意と伝えきれない想いが 街の音に消えないうちに
朝焼けの水蒸気が 隣の空を彩る
懐かしいメロディーは 風と共に終わる
君の髪の毛が震えてる
出典: 二人のアカボシ/作詞:伊藤俊吾 作曲:伊藤俊吾
彼は二人で逃げ出す決意をしました。
工場が出す水蒸気が空を彩っている。
すなはち水蒸気が太陽に反射しているということです。
ついに夜は明けてしまいました。
先ほどまで流れていた懐かしい曲が終わっています。
これも時間の経過を表しているのです。
彼女も別れの時がきたことを覚悟しているようです。
街に別れを...そして二人は
さようなら街の灯りと 月夜と二人のアカボシ
最後の想いは 君が振り向く前に話そうか
出典: 二人のアカボシ/作詞:伊藤俊吾 作曲:伊藤俊吾
彼は「二人で逃げ出す」という決意を胸にこの夜と街に別れを告げます。
そして彼女はもう歩き出しているようです。
彼はこの想いを告げるべく彼女に声を掛けようとします。
ここでこの曲は終わってしまうのです。
果たして二人はどこかへ「逃げ出す」ことになるのでしょうか。
もしMVの女性がこの彼女だとしたら。
結局彼は決意を伝えることなく別れてしまったのかもしれません。
まとめ
「キンモクセイ」をメジャーバンドへと押し上げた「二人のアカボシ」。
この大ヒットは決して偶然や運ではありません。
この曲には歌詞だけみても沢山の要素が含まれていることがわかりました。
『「夜明け」のイメージの逆転』
『鮮明な風景描写』
『曲を通して醸し出される哀愁』
『そして緻密な歌詞構成』
この全てが多くの人に響いたのです。
当時小学生だった私でさえ、この曲を聴いてどこか切ない気分になりました。
2008年に活動休止をしてしまった「キンモクセイ」。
しかし一度だけ2011年に復活したことがありました。
精神を病んでしまった伊藤さんも少しづつ音楽活動を再開しています。
もしかしたら今後も再結成する可能性があるかもしれません。
いつかもう一度この曲を演奏することがあるならば是非聴きに行きたいですね!
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「二人のアカボシ」は「夜明け」を歌った歌でした。
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