ああ 些細なことで悩まないで
地球は回ってるんだ
とてつもない速さで変わってく(この世界)
ああ 今日のしあわせもふしあわせも
どこかに消えるのか
いつの日にかそんなこともあったと(想うだけ)

出典: 川は流れる/作詞:秋元康 作曲:中野領太

Aメロでは語り手が聴き手に語り掛ける形で曲が進みます。

地球は回っている」とここでも世界が変わり続けているような表現。

「地球という壮大な存在の中で、自分たちの悩みなんかちっぽけなものだ」

語り手はまさにそういっているようです。

さらに、悩みだけでなく幸せすらもどこかに消えていく、と語り手。

そう聞くと虚しいように感じますが、果たしてそうでしょうか?

この曲では、幸も不幸もいい意味で気にしないおおらかさがやけに安心感をくれます。

全ては「一瞬」

森羅万象すべて一瞬だ
この身を任せ生きよう

出典: 川は流れる/作詞:秋元康 作曲:中野領太

Bメロでは一気にギターのアルペジオと歌だけになります。

ガラッと曲の雰囲気に聴き手を引き込み、サビ前の印象的な場面で伝えたかったのはこのフレーズ。

全ての事象は一瞬である」というメッセージは、Aメロの内容をまとめた言葉でもあります。

この世の全ては、地球の長い歴史に比べると一瞬。

人間も、その移り変わる長い歴史の中の一部。

その大きな流れの中に身を任せてしまえばいい、ということなんですね。

人間もこの世の無常のひとつ

川に流れる
光と影よ
頬の涙も…
誰かの声も
川に流れる
思い出し笑いも
あの独り言も…
川に流れる

出典: 川は流れる/作詞:秋元康 作曲:中野領太

一番サビでは、冒頭のサビで歌われていた歌詞から少し変わっています。

川は」と歌われていた部分は「川に」と変わりました。

そして後に続く「涙」「声」「笑い」「独り言」とは人間の感情の象徴。

そんな人間の感情も、「川」というより大きな流れの中に流れていく。

さらに、「光と影」という対照的であるものの切っても切り離せない2つの存在。

「幸せ」と「不幸せ」ともとることができますね。

「明るい感情も暗い感情も、流れていくのだから固執することはない

そんなメッセージが込められている歌詞です。

大きな流れの中では無力

ここから2番のAメロに入っていきます。

時に人間は大きな川の流れのを変えようとしますが、そう上手くはいきません。

そんな人間の無力さがここで歌われています。

生きるということは辛いことだけれど

ああ 掌(てのひら)で堰き止めようが
時代は移り変わってく
深い底に何を残すのだろう?(その記憶)
ああ 生きるということは辛くて
苦しいものだけど
どうせいつか消えてなくなるんだ(泡のように)

出典: 川は流れる/作詞:秋元康 作曲:中野領太

人間は何か壁にぶつかったとき、運命に抗おうと必死にもがきます。

もちろんそれが悪いことなのではなく、時には美しくもありますね。

しかし大きな流れで見ると、それも川の流れを掌でせき止めようとしただけ。

しかし川はそんなちっぽけな存在などつゆ知らず、時代は移り変わります。

今感じている悩みや絶望も、いつかは川に流されていくのです。

要らないもの=記憶?

どこを目指しているのか?
要らないものは沈む

出典: 川は流れる/作詞:秋元康 作曲:中野領太

Aメロで「深い底」に沈むのは「その記憶」と歌われています。

辛い記憶も楽しい記憶も、その川の深い底に沈んで表面的にはわからなくなってしまうもの。

そしてBメロでは、そんな不必要なものは「沈む」といわれていますね。

ということは、「要らないもの=記憶」ということでしょうか。

1行目のフレーズから、考えてみましょう。

するとここでいう「要らないもの」は「目指している場所にいくために不必要なもの」とも解釈できます。