「gift」の概要
「gift」はSMAPの20枚目のアルバム「GIFT of SMAP」に収録された楽曲です。
もともとは配信限定のシングル曲のような位置づけとしてリリースされており、CMソングにもなっていました。
作詞と作曲は麻生哲朗さんと菅野よう子さんのコンビ。
お二人は、同アルバムに収録されているシングル曲「さかさまの空」でもタッグを組んでいます。
そういえば、稲垣さん、草彅さん、香取さんの三人が2018年にリリースした楽曲「雨あがりのステップ」もお二人によるものです。
「gift」の歌詞をチェック!(1コーラス目)
「それ」はかけがえのないもの
それは不思議なんだけど
ただそこにある
だけなのに
今日の喜びと
勇気をくれる贈りもの
出典: gift/作詞:麻生哲朗 作曲:菅野よう子
曲冒頭の歌詞で、ボーカルを担当するのは香取さんです。
「それ」は自分に「喜び」や「勇気」をくれるもの。
存在そのものが自分にとってかけがえのないものである、というようなことをメッセージとして伝えています。
タイトルにもなっている「gift」は、この部分の最後に出て来る「贈りもの」を意味する言葉です。
そのかけがえのないもののことを歌った作品なんだ、ということがここでわかります。
「それ」の正体とは一体何でしょうか。
ちなみに、このパートでの香取さんのボーカルはやわらかさがあって穏やかなスタイルです。
歌詞の内容と共に、そこからは大人の男性らしい包み込むような優しさを感じます。
確信としての言葉
根拠なんて
無理して探さないよ
どんな (いつも)
時も (僕は)
ずっと好きでいるよ
Thank you for your gift!
出典: gift/作詞:麻生哲朗 作曲:菅野よう子
この部分のボーカルを受け持つのは稲垣さんと草彅さん。
「あなたがくれる贈り物を理由なく好きでいる」とこの主人公は語ります。
好きに根拠なんかなくて、それを無理やり見つけ出すこともしなくていいのです。
注目したいのは「ずっと」という言葉。
好きなものは時と共に変化していくものですが、主人公は「この先も好きだ」ということを、胸を張って宣言しています。
Aメロに比べて少し力強い言葉が綴られている部分です。
稲垣さん、草彅さんといえば、SMAPの中でも比較的穏やかなメンバーだという印象があります。
その二人がこのような確信めいた強い言い回しを口にしている、というところが注目すべきポイントです。
それにより、言葉の持つ意味やその裏にある主人公の心境をより際立たせていると感じます。
SMAPの五人はメンバーそれぞれに違った個性を持っていますが、楽曲においてもそれは武器になるもの。
ここでの例のように、適材適所で作品をより良いものにするための力を発揮します。
「肯定」を歌う歌詞
こっち振り向いて笑った
(気まぐれでも)
君を見つけてわかった
(なんでもいい)
gift gift
ありのまんまの君が
(何も飾らず自由に)
大事な時は向きあって
(紡げstory)
不安な時は寄りそって
gift gift 宝物だよ
(たったひとつの)
出典: gift/作詞:麻生哲朗 作曲:菅野よう子
サビにあたる部分の歌詞です。
ここで、冒頭に登場した「それ」の正体がわかります。
主人公が言う「それ」、すなわち「gift」の正体とは「ありのまんまの君」です。
君が笑えばそれが自分にとっての喜びとなる。
そしていつでも変わらずに、確信を持って「好きだ」と言い切れる存在なのです。
特筆すべきは「飾らず自由に」という部分。
何か特別なことをしなくても、ただそこにいてくれるだけでいいと伝えています。
また「向きあって」「寄りそって」という言葉もあるように、与えられるだけではなく行動でそれを示そうとする彼。
シングル曲「Dear WOMAN」の歌詞にもあるように、SMAPの楽曲には本作のように「肯定」をテーマにした作品が多く存在します。
「君は君だよ」という楽曲では個性を尊重し、また「世界に一つだけの花」が訴えるのは唯一無二の「自分らしさ」です。
本作の歌詞からは「恋愛関係にある男女」を連想できますが、より広い意味で捉えると、さらにその世界を楽しむことができます。
「gift」の歌詞をチェック!(2コーラス目)
知るほどに魅力的になっていく
それは不思議なんだけど
時が過ぎても古びない
未来へ行くほど
輝きを増す贈りもの
出典: gift/作詞:麻生哲朗 作曲:菅野よう子
2コーラス目の歌詞で、ボーカルを担当するのは木村さんです。
ここまで述べられてきた「gift」は「古びることもなく時間が経つほど輝くものである」と語ります。
相手との関係を歌ったこの部分。
君が自分に与えてくれる感覚は時間が経っても色褪せることはなく、むしろ魅力的になっていくのです。
相手を知るほどに相手のことが好きになっていく、という状態を言い表していると感じます。
木村さんの歌声は1コーラス目の香取さんのボーカルとはまた違った魅力があって、少しセクシーです。