ゆず「慈愛への旅路」
前向きな思いを込めた楽曲!
つらい時、苦しい時、頑張りたい時、あなたはどんな音楽を聴きますか?
例えば、中島みゆきの「ファイト!」や、スキマスイッチの「全力少年」など、世の中には背中を押してくれる音楽がたくさん溢れています。
これこそ音楽のパワーであり、それに救われている人はたくさんいるのではないでしょうか。
2010年リリース
「慈愛への旅路」は、2010年8月25日にリリースされた31枚目のシングルです。
デビュー15周年を目前に控え、ゆずの音楽がまたガラッと変わっていった時期ではないでしょうか。
常に変化を続けていくゆず。
そんなゆずについていくファン、そして、離れていくファン、きっと昔ながらのファンは二分されたはずです。
このシングルは、オリコン週間チャートでは5位を記録しており、そんなファンの変遷をセールス面からも見て取ることができます。
ちなみに、ゆずがオリコンチャートで5位以下を記録したのは、2003年にリリースされた「3番線/水平線」以来のことです。
この年は、ゆずがちょうど5周年を迎えた年であり、「慈愛への旅路」のように音楽や活動に変化があったことが予想できます。
このようにセールス面に顕著に表れるの見ると、音楽業界がシビアな世界であることがよく分かります...
また、「慈愛への旅路」に関しては、リリース当初、タイアップがありませんでした(後に第2回横浜国際女子マラソンのタイアップ獲得)。
さらには、リリースの約1週間前までラジオなどの各種メディアでオンエアがなかったこともあり、それもセールス面に関係しているのではないでしょうか。
ヒゲが生えた北川悠仁にも注目♪
「慈愛への旅路」の注目ポイントとして挙げられるのが、北川悠仁のヒゲです。
爽やかで、フレッシュで、清潔なイメージの強いゆず。
そんな自分たちのイメージを覆すような挑戦的な気持ちの表れにも感じます。
そんな悠仁のヒゲは、ジャケットやミュージックビデオで垣間見ることができますので、ぜひチェックしてみてください!
「慈愛への旅路」の歌詞の意味を徹底解釈!
それでは、次に「慈愛への旅路」の歌詞に迫っていきましょう。
なんと言っても、この楽曲がリスナーの背中を押してくれる最大の理由は、その歌詞の前向きさではないでしょうか。
聴く者にパワーを与える前向きな思いが綴られたその歌詞の意味を徹底解釈していきます!
しぼみかけた夢 カバンの奥に押し込んだ
市営バスの窓に 映るのは疲れ果てた顔
飲み込んだ言葉 消化不良を起こしたけど
人ゴミの中 つじつま合わせ紛れこんでゆく
出典: 慈愛への旅路/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
まずは、導入部分です。
実は、冒頭はちょっと後ろ向きな歌詞から入っていきます。
これは、後ろ向きなイメージからスタートさせることで、この後の展開をよりドラマチックなものに感じさせるテクニックではないでしょうか。
自分の言いたいことも言えない、そんな社会や世の中に疲れているけれど、日々の生活をこなしていくためには仕方ないと、自分の中での諦めや妥協を上手に表現しています。
これを読んでいるあなたは、夢と現実との間にジレンマを抱えながら生きていませんか?
そんな誰もが持つ葛藤を如実に描き、リスナーを楽曲の世界に一気に引き込んでいきます。
あきらめそうな 心に君が呼びかける
それはまるで差し込む光
閉じ込めてた 想い 蘇る
出典: 慈愛への旅路/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
そして、そんな後ろ向きな歌詞を一気に払拭していきます。
「光」という言葉が特にそれを象徴しており、暗くなった心を照らしていく様子が目に浮かぶようです。
「もう一度」って もう一度 君に逢いに行く
あの日 止まったままの時計の針が もう一度
動き出した
描いた夢の 続きを叶えるために
新しいページをめくり 僕は刻む
Never ending story
出典: 慈愛への旅路/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
冒頭で表現していた諦めや妥協を払拭し、今一度前を向いて進んでいこうというのがここの歌詞です。
それを時計の針が動く様子や、ページをめくる様子に例え、リスナーが想像しやすい例を並べることで、さらに曲をリスナーの心へ染み渡らせていきます。
そして、描いた夢への過程を「Never ending story」(終わらない物語)と表現し、「諦めたり妥協したりすることはない」と強く訴えかけてくる歌詞に背中を押されます。
しおれかけた花 カビンの中に飾られたまま
終わりゆく運命(さだめ) 時は無常に流れてゆく
出典: 慈愛への旅路/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁