どうして尽くめ の毎日 そうしてああしてこうしてサヨナラベイベー
現実直視と現実逃避の表裏一体なこの心臓
どこかに良いことないかな、なんて裏返しの自分に問うよ。
自問自答、自問他答、他問自答連れ回し、ああああ

出典: 裏表ラバーズ/作詞:wowaka 作曲:wowaka

まずは理性的な主人公から。変わらずお得意の早口で、難しい言葉をまくしたてます。

彼との関係性はどこかで断ち切らなくてはならない。そう理解しているようです。

しかしそれを邪魔するのが裏側にいる自分。つまり本能の部分です。

なんとかしてその本能を制御するために頭を悩ませる主人公。

愛以外のことに目を向けてみたらいいのではないか?と考えついたようです。

しかし3行目、それを本能的な自分に問いかけたところで答えなど決まっていますね。

もしかすると理性的でありたいと願いながらも、どこかで本能に溺れることを望んでいるのではないでしょうか。

理性的な部分はどうやら少し劣勢のようです。

お次は本能的に

ただ本能的に触れちゃって、でも言いたいことって無いんで、
痛いんで、触って、喘いで、天にも昇れる気になって、
どうにもこうにも二進(にっち)も三進(さっち)もあっちもこっちも
今すぐあちらへ飛び込んでいけ。

出典: 裏表ラバーズ/作詞:wowaka 作曲:wowaka

ここでは対照的に、本能に支配された主人公の様子が描かれています。

歌詞を見るだけでも、理性がどこかへ飛んでいってしまったことがわかりますね。

先ほどの理性的だったフレーズとは異なり、簡単な言葉しか並んでいません。

身も心も相手に委ね切って「良いこと」に溺れているのでしょう。

この瞬間には自分の本能を制御する気など感じられません。ただ愛に沈むだけです。

やはり理性が勝てる相手ではないのかもしれませんね。

のみこまれる主人公

嫌なこと尽くめ の夢から覚めた私の脳内環境が、
ラブという得体のしれないものに侵されてしまいまして、それからは。
どうしようもなく2つに裂けた心内環境を
制御するためのリミッターを掛けるというわけにもいかないので

出典: 裏表ラバーズ/作詞:wowaka 作曲:wowaka

冒頭のフレーズと似ていますが、少しずつ違っています。

まず1行目、さきほどは「良いこと」だったのにお次は「嫌なこと」といっています。

「良いこと」は好きな相手との甘いひと時でしたね。

つまり「嫌なこと」はそれと対照的なこと。日常生活を指すのでしょう。

日常生活を送る中では本能的な感情に溺れてばかりいられません。

理性的に過ごさなければならないのです。

しかし主人公にとってそれが難しいのは明らか。愛に溺れたい気持ちを抑えることができません。

これまでであればそんな本能を、裏側にいた理性がたしなめていましたね。

しかし4行目を見ると、その理性さえも使い物にならなくなってきたことがわかります。

ハッキリと「制御する気がない」と言い切っていますね。

次第に理解する主人公

ここからは同じリズムで繰り返されるフレーズを紹介します。

主人公の心境変化を感じさせる歌詞を順番に見ていきましょう。

盲目的に嫌っちゃってー
今日いく予定作っちゃってー
どうしてもって言わせちゃってー
等身大の裏を待て!

出典: 裏表ラバーズ/作詞:wowaka 作曲:wowaka

主人公はまだ相手の男性に愛があると信じたがっています。

彼と会うのはそれを確かめるためだ!といわんばかりに理由を並べ立てていますね。

4行目はきっと愛の大きさを示しているのでしょう。

彼はきっと、自分が抱いているのと同じくらいの愛を持っているはずだ。そう願っています。

挑発的に誘っちゃってー
衝動的に歌っちゃってー
もーラブラブでいっちゃってよ!
大体、愛、無い。

出典: 裏表ラバーズ/作詞:wowaka 作曲:wowaka

相手との関係に悩んでいる主人公ですが、そんな理由から何度か関係を持ってしまっているようですね。

お酒に酔っているかのような不思議なテンションの彼女。

本能を解放したかのように見えますが、4行目は非常に冷静です。

それは彼に愛があることを期待していたのに、見事に裏切られたから。

実は心のどこかでは気がついていたのかもしれません。それでも改めて突きつけられれば苦しいものです。

1-3行目のテンションとは明らかに違いますから、やはりショックだったのでしょう。

脅迫的に縛っちゃってー
網膜の上に貼っちゃってー
もーラブラブでいっちゃってよ!
あいあいあいあいない!

出典: 裏表ラバーズ/作詞:wowaka 作曲:wowaka

最終的にはそんなショックを振り払うかのように、夢中で相手を求め始めました。

自分の姿を目に焼き付けて欲しい。少しでも自分のことを考えて欲しい。

そんな思いから必死に相手を求めますが、やはりそこに愛は生まれません。

4行目からはその現実を直視し、少し自暴自棄になっている様子さえ感じられますね。

結局彼女は2人の間に愛がないのだと、ハッキリ自覚したのです。

2人の関係性