MONDO GROSSOについて
大沢伸一によるソロユニット
MONDO GROSSOは1991年に京都で結成されました。
当初はバンド形態で、当時最先端のアシッドジャズ的なサウンドを志向していました。
1996年に他のメンバーが脱退し、大沢伸一のソロプロジェクトとして活動していくことになります。
ボーカリストをフィーチャーしてのコラボ作品や他のアーティストへの楽曲提供、プロデュース、リミックスなど、幅広い活動を行っています。
2002年にはジャミロクワイのリミックスを行うなど、その活動は日本の枠を飛び越えています。
MONDO GROSSOという名前は、イタリア語で「大きな世界」を意味します。
当初はシャレでつけた名前だそうですが、その名の通り、ワールドワイドな存在になっていったのです。
しかし、2003年のアルバム『NEXT WAVE』リリース後、MONDO GROSSOとしての活動は休止していたのです。
「TIME」
収録アルバム
「TIME」は2017年リリースのアルバム『何度でも新しく生まれる』に収録されています。
MONDO GROSSOとしては実に14年ぶりのアルバムとなりました。
リリース当初から大きな話題を呼び、オリコンアルバムチャート8位を記録するヒットとなっています。
「TIME」はアルバムのリード曲としてPVも制作されています。
このアルバムには満島ひかりをフィーチャーした「ラビリンス」や乃木坂46の斎藤飛鳥をフィーチャーした「惑星タントラ」など、様々なアーティストとのコラボ曲が収録されています。
MONDO GROSSOとしては初めて、全曲日本語詞のアルバムとなっています。
「TIME」と合わせて、ぜひ聞いてみてください。
birdとのコラボは17年ぶり
「TIME」はbirdとのコラボ曲です。作詞とボーカルをbirdが担当しています。
birdは1999年にデビューしたシンガーですが、彼女のデビューアルバム『bird』をプロデュースしたのが大沢伸一でした。
birdの2ndアルバム『MINDTRAVEL』でも大沢伸一はプロデュースと全ての作曲・編曲をてがけます。
2000年リリースのMONDO GROSSOのシングル「LIFE」でもbirdはフィーチャリングされています。
この曲はMONDO GROSSO史上最もヒットした代表曲です。
このように、birdとMONDO GROSSO(大沢伸一)は非常に密接な関係を持っていました。
しかし、その後はMONDO GROSSOとしての活動も休止したこともあってか、両者のコラボは実現しませんでした。
この「TIME」は実に、17年ぶりのbirdとMONDO GROSSOとのコラボ曲なのです。
歌詞について
時間と音楽を漂う
それでは「TIME」の歌詞を見ていきましょう。
部屋の窓辺で
夜をほどいた
君の瞳は
まだ夕暮れの波
肌に染まった
香りあやして
手と手繋げば
何が聴こえるの?
耳許こぼれる
小さなメロディー撫でた
宙に舞う 綺麗で
ああ
出典: TIME/作詞:bird 作曲:Shinichi Osawa,MINMI
非常に抽象的な表現が続いています。
ラブソングのようにも見えますが、はっきりとした表現はありません。
ただ、「夜」そして「夕暮れ」という、時間に関する言葉が出てきます。それと「メロディー」という言葉。
音楽と、時間に関する詞なのかな、という感じがします。
この夜をもっと感じてたい
そのままの君を感じてたい
だから僕は時間の針を歪めて
二人でリズムの隙間に隠れた
声を潜めて
願いをかけて
重なる鼓動大きくなる
僕達を超えて時を戻す
僕達を超えて時を戻す
出典: TIME/作詞:bird 作曲:Shinichi Osawa,MINMI
ラブソングのような表現が出てきました。そして、時間と音楽というイメージもよりはっきりと表れてきます。
「時計の針を歪めて」「リズムの隙間に隠れた」など、ちょっと文学的で詩的な表現が美しいと思います。
「時を戻す」という言葉はいくつか解釈ができると思います。
何か過ちを犯してしまったから、時を戻してやり直したいということなのか、今が幸せで満たされているから、時を戻して何度も味わいたいのか。
「この夜をもっと感じてたい」というフレーズからすると後者の気がします。
ですが、やはり全体に抽象的な表現が多いのではっきりとはわかりません。イメージで感じるタイプの詞という印象です。