D.Dのサウンド

まず、ここではD.Dの曲調について解説します。

この曲はかなりEDMに近いサウンドといえるでしょう。

今までかなりの男性アイドルグループが歌ってきた恋愛ソングというよりも、ロックに近い歌詞です。

そこにエレクトロニカの響きがマッチしています。

動画サイトで配信されているMVも、それまで主流だったダンス以外にアクロバットを生かしたものになっています。

Snow Manは「職人集団」というあだ名をもらうほど、高いクオリティのアクロバットとダンスを誇ります。

そのため、あえてEDMにしたのが伺えますよね。

今までのアイドルソングを覆すようなEDMのグルーヴはそれまでのジャニーズらしさを刷新するものです。

D.Dの歌詞とSnow Man

Start

The Time has come
D.D.
Let’s get started!

出典: D.D./作詞:栗原暁(Jazzi'npark) 作曲:HIKARI

この曲はこのような歌詞で始まります。

ちなみにこのD.D.とはDancing Dynamiteの意味です。

直訳すれば、「時がきた さあ始めよう」という平凡な歌詞

しかしここには当然Snow Manとしてデビューする前までの彼らの万感の想いが込められているわけです。

特に、時がきた、のところは「チャンスがやっときたところだ」という訳でもいいかもしれません。

彼らは2012年には本格始動していたのにもかかわらず、なかなかデビューできなかったことは有名です。

ジャニーズJr.の中では同期や後輩がどんどん売れていくのに、自分たちはまだバックダンサーでしかない。

単独公演を行ったらそれなりに結果が残せるのに、という思いは初期のメンバーである6人に共通だったようです。

だからこそ、「さあ始めよう」というよりかは「もう始まってるんだ」という強い意味のSTARTなのでしょう。

その次の歌詞も同じように高みに行こうと自分たちを奮い立たせているのです。

YOUって誰?

先ほどの歌詞の次には、何度もリフレインされるDancing Dynamiteのメロディに続きます。

Dancing Dynamite Oh Dynamite
Hey you... Let me go

出典: D.D./作詞:栗原暁(Jazzi'npark) 作曲:HIKARI

この「You」とは誰なのか。

この答えはもしかすると明確ではないかもしれません。

しかし、様々な事情でなかなかデビューできなかったSnow Manにとっては特定の誰かではないでしょう。

運命の女神のような、人知を超えた存在なのかもしれないですよね。

Let Me Goでは「どうか僕を行かせて」と言っているわけです。

これは、阻まれてきた今までの運命に懇願するようなイメージではないでしょうか。

秘められた闘志と過去

では、次にAメロで歌われるSnow Manの想いについて解説しましょう。

印象的なサビのメロディの後、Aメロが始まります。

しかし、ここでも、一見よくありそうな歌詞が使われています。

歌詞をよくみるとSnow Manのデビュー前のことが歌われています。

描きつづけたDreaing 焦るClock hands moving

出典: D.D./作詞:栗原暁(Jazzi'npark) 作曲:HIKARI

Snow Manのデビュー当時のインタビューで、メンバーの一人、渡辺翔太さんがくじけそうになった話をしていました

Snow ManにはJr.としての活動が10年以上のメンバーも多くいます。

中には15年間デビューできずにいるメンバーもいます。

その彼らにとってはずっとデビューは夢だったはずです。

なかなかデビューできない彼らは、進んでいないんじゃないか、と言われることも多かったようです。

さらにメンバーの一人は大学院卒で気象予報士資格を取得している人もいます。

他の道を選んだほうがよかった、と何度も後悔や虚無感が襲ったのではないでしょうか。

その思いがこの歌詞に表現されています。

It’s time to burst

出典: D.D./作詞:栗原暁(Jazzi'npark) 作曲:HIKARI

だからこそ、この「さあ燃える時が来た」という歌詞になるのではないでしょうか。

燻っていた10年以上の思いを今ここにぶつけるんだ、という、ある意味闘志さえ伺える歌詞なのです。