back numberとは

back numberの原点に帰る楽曲『海岸通り』の画像

2004年に群馬県で結成されたback number。  『花束』『高嶺の花子さん』をリリースしてからは、テレビへの露出も増えてきましたね。

そんなback numberの持ち曲も90曲近くになってきました。 どれを聴いていいのかわからない、と思う人もいると思います。

私もback numberについてどこから聴こうかな?と悩んでいたのですが、 2016年末にリリースされたベストアルバム『アンコール』を聴いて、 もっとback numberの音楽について知りたい!と思い、原点に帰ることにしました。

それがミニアルバム『逃した魚』だったのです。

今回はback numberがインディーズ時代にリリースした『逃した魚』に収録されている 『海岸通り』に注目してみました。

『海岸通り』の歌詞解釈・秘められた想いについて。

back numberの原点に帰る楽曲『海岸通り』の画像

この「海岸通り」が収録されている『逃した魚』の中で、 一番ポップでキャッチーな仕上がりになっていると思います。

インディーズ時代から、back numberのロックからポップな編曲できるところがback numberの凄さですね。

明るいサウンドの中に、 誰かと一緒にいること、自分の気持ちに素直でいることの難しさが ダイレクトに伝わってくる『海岸通り』の魅力について追求してみました。

二人窓の形をした海岸線の絵を
眺めて笑ってた日を何度も何度でも
思い出し笑ってよ

出典: 海岸通り/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

二人にとって、良い想い出であるのが、 歌詞からもよくわかりますね。

楽曲自体は軽快な出だしから始まるのに、 回想に想いを巡らせています。

人間は忘れていく生き物だと思います。

なので、想い出すことができるくらい、 僕にとって君の存在がいかに大きいのかが伺えますね。

自分の気持ち嘘つかずに生きて行く事が幸せなら
会いに行けないこの僕を何と呼ぼう
特に珍しい事じゃないんだろうけど

「もう駄目だね」って言われるまで気付けなかった
「元気でね」なんてかっこつけなきゃよかった

出典: 海岸通り/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

一緒に海岸線の絵を見て笑えるくらい、二人の距離は近かったはずなのに、 今は一緒にいることで、自分の気持ちに嘘をついて生きていくことになる。

だったら、気持ちに嘘をつかずにいられるなら、傍にいないほうがいい、 会いにいかないほうがいい、と僕は思ったのでしょうか……?

誰かを想う為に行動することも大切ですが、 誰かを想う為に、行動しないことも大切なんだと思わされる歌詞ですね。

彼女の一言でやっと気づいた心情。 でも、実際は彼女の前ではかっこつけた自分でしか表すことができなかった。

そんなやり場のない想いが感じられます。

back numberの原点に帰る楽曲『海岸通り』の画像

二人窓の形をした海岸線の絵を
眺めて笑ってた日が少し遠くに見えた
全部嘘じゃないのに
二人はどんなに離れてても繋がれるよって言って
あんなに近くにいても駄目だったじゃない
別にもういいけど

出典: 海岸通り/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

誰かとの想い出を振り返った時に、 記憶に残っているキーポイントがあると思います。

家族や友達、恋人……。

二人にとっては海岸線の絵は、想い出のキーポイントだったのかもしれませんね。

そんな想い出も、だんだん薄れていく、遠い過去のように感じていく―― でも、そのことが問題なのではなくて、

傍にいても繋がることができなかった。 お互いを理解することができなかった。

悲しみのような、嘆きのような感情が歌詞からも感じられます。

でも、僕にとって”別にもういい”と思えるのは、 今、僕にとって重要なことはそこなんじゃないよ。

過去を振り返っているだけではないのが感じられます。

二度と会えない人の幸せを僕は心から祈れるのかな?
ねぇどう思う?

出典: 海岸通り/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

この曲の中で、一番ズルいなぁと思った一節です。
”ねぇどう思う?”とは誰に問いているのか?

想い出の中の君なのか?
今、僕の傍にいる新しい誰かなのか?

それは人の想像でしかありませんが、
僕にとっては、海岸線の絵を一緒に眺めた君の幸せ
今でも願おうとしていることが判りますね。

back numberの原点に帰る楽曲『海岸通り』の画像

振り返らない 約束も全部無効だって
確か二人で決めたような 決めてないような

煮え切らないのが駄目な所 いつも君は言ってたっけ
だけどそんな所も含めて好きとか言ってなかったっけ
別にもういいけど

出典: 海岸通り/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

想い出の中の二人の会話の生々しさが、
清水依与吏の凄い所でもあると思うんです。

そこにリスナーは想像を掻き立てられるし、
自分を投影するから、共感を抱きやすいと思うんですね。

歌詞や声にも切なさが投影されていますね。

このまま時が流れれば きっと忘れるんだろうな
君がそれでいいのなら
実は僕嫌なんだよ

出典: 海岸通り/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

時が過ぎれば、二人が一緒にいたことは想い出として
残るだけなのかもしれない。

でも、想い出だけで終わらせたくない、
忘れられないくらい君のことが大切なのが感じられますね。

人は簡単に感情を割り切ることができれば、
傷つくこともないのもかもしれません。

でも、そうではないから、
僕の気持ちに共感してしまいます。