家族の温かさを感じられる歌詞

SEKAI NO OWARI【family】

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SEKAI NO OWARIの6枚目となるオリジナルアルバムが2021年7月21日に発売されました。

アルバム名は「scent of memory」、その中に収録されているのが【family】です。

同曲は家族という存在の温かみがギッシリと詰まった心が温かくなるナンバー。

セカオワにとっても「身近でパーソナルな曲」と語る1曲になっています。

セカオワといえば“セカオワハウス”で共同生活をしていることでも有名です。

“暮らし”を共にする相手との間に生まれる、恋や友情とはまた違った“愛”が伝わる歌詞

「ただいま」「おかえり」という一見当たり前に感じられるようなこの言葉。

同曲を聴くと、このやりとりが出来る状況がどれだけ幸せなことか気付かされるでしょう。

今回は【family】に込められたセカオワからのメッセージを深読みしていきます。

ドラマの主題歌に抜擢

【family】はテレビ朝日系2021年夏クールのドラマ「IP~サイバー捜査班」の主題歌になりました。

同曲を聴いたドラマの制作側からのオファーで起用が決定したそうです。

ドラマは佐々木蔵之介さんが主演。

京都を舞台としたサイバー犯罪に立ち向かっていく新しいミステリードラマです。

現実でも2021年6月に警察庁から“サイバー局の設置”をすることが発表されました。

昨今の国の抱える問題とそう違わない内容のドラマになっています。

一見「刑事もの?」と思われがちな同曲ですが、実は「人間ドラマ」でもあるのが見どころ。

佐々木蔵之介さん演じる安洛と福原遥さん演じる古宮山の間には血のつながりが…?

家族や仲間に触れる内容と締めくくりに流れる【family】が絡み合う絶妙なコラボレーション。

優しいバラード調のメロディーについ心奪われてしまうこと間違いないでしょう。

言葉だけが全てではない

君のことならなんだって

君が家に帰ってきた時
「ただいま」の声で分かる
わざわざ「何があったの?」なんて
聞かないけど

出典: family/作詞:Saori・Fukase 作曲:Saori・Nakajin・Fukase

【family】はタイトル通り“家族”がテーマとなっている温かいナンバー。

歌い出しで分かるのは、主人公は家族の帰りを待つ側だということです。

待っているのは自身の子供でしょうか。

子供の帰りを待つという事は、いくつになっても何処か心配が残るもの。

小学生に上がると、初めて親から離れ自分で登下校をするようになります。

低学年の頃は特に無事に自宅に戻ってくる姿を確認するまでは気が気じゃないでしょう。

中学生に上がると授業時間も伸び、部活などが始まることで帰りが遅くなります。

思春期でロクに口も聞けなかったり、すれ違いに心配な日々が続いたりもするでしょう。

高校生になれば少し背伸びした気持ちになり、夜に出かけてしまう子もいます。

高校生といえど大人から見ればまだまだ子供です。

夜遅くになっても帰ってこないと心配で何度も連絡したり、つい問いただしたくなるもの。

そうやって親はずっと子供のことを気にかけ、いつも帰りを待っています。

そのためいつもと違うトーンの「ただいま」には敏感になるものなのです。

「今日元気ないな」「何かあったんだろうな」等、隠しているつもりでも気付いてしまうもの。

それでもあえて自分からは聞かず、子供から話してくれるのを“待つ”のが親というものなのでしょう。

いつでも一歩引いたところから見守る。

悩みや問題を自分で解決して成長していけるようにずっと見守っているのです。

聞けないもどかしさ

家族だから そばにいるけど
家族だからこそこんなにも遠い
惹かれた線のギリギリで
何も気付かないふり

出典: family/作詞:Saori・Fukase 作曲:Saori・Nakajin・Fukase

1行目と2行目はまるで対比するような言葉が綴られています。

これはどういう意味を表しているのでしょうか?

まず1行目は、家族は基本的にひとつ屋根の下で共に生活を送っていることが多いということ。

物理的に近くにいる存在であるということを意味しています。

ではなぜ2行目では“遠い”というのでしょう。

その答えは“家族だから、親だからこそ聞けないこともある”からなのです。

友人関係の悩みや恋愛の悩みなど、包み隠さず親に話せる人は少ないと思います。

学生のうちは尚更多いのではないでしょうか。

恥ずかしいのと、心配をかけたくないという思いからつい平気なふりをしてしまうものなのです。

小さい頃一番甘えたい存在であったはずなのに、気付いたら親への秘密が増えていきます。

その“親には知られたくない”という気持ちを親自身も理解できるからこそ、自分からは聞かないのです。

自分がしてあげられること

変わらずにいること

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「おかえり」の言葉に
はち切れそうな意味を込めた
大丈夫? 何があっても味方でいるとか

出典: family/作詞:Saori・Fukase 作曲:Saori・Nakajin・Fukase

帰ってきた様子がいつもと違って元気がないと、どうしても心配になってしまうものです。

それでも子供から話してくれるまでは聞いてあげることが出来ません。

ただ何もしないのは親の心も落ち着かないでしょう。

直接は聞かない代わりに「おかえり」に渾身の愛を込めるのです。

どうか家にいる間はあなたの心が落ち着きますようにと、精一杯の愛で遠くから包み込みます。

寄り添う心で接することで少しでも心が軽くなればいいと願っているのです。