鍵が解けない
明日が描けない
出典: ユラレル/作詞:みゆな 作曲:TSUGE
一旦社会からの疎外感を味わうと、社会に同化して生きるのは大変なことです。
戻りたくても戻れない…戻り方すらわからなくなってしまうから。
毎日行っていた学校に足が遠のいて不登校になってしまうと、いつもの授業がなくなります。
明日の予定もなく、自分の殻に閉じこもっている少女。
みんなと同じではない、でも、自分が何者なのかもわからない。苦しい状態が伝わってきます。
でも本当は…
誰か僕を見つけて
出典: ユラレル/作詞:みゆな 作曲:TSUGE
Aメロからずっと苦しみばかり感じる歌詞でしたが、Cメロ最後にはついに感情が爆発。
ここはtacetになっていてみゆなの声だけが響きます。
伴奏がなく歌詞が強調されていますね。「ユラレル」前半で一番強く伝えたい大事な部分でしょう。
本当は誰かにわかってほしい。でもわかってもらえない。
自分のことを話しても理解してもらえないと、人は傷つきます。
だから、大人になるにつれて自分の話はしなくなっていくのです。
これが傷つかないための、自己防衛というもの。
半分大人な少女もいえずにいるのです。
でも本当は、見つけてほしい。理解して欲しい。そんな気持ちが強く伝わってきますね。
本当は、少女は人との関わりを渇望しているのではないでしょうか。
サビの歌詞とMVの映像
何にさよならを告げているのか?
叫んでみた
この想いを
殺して
助けて
見て見ぬ振り様(さま)
両手を広げた
さよなら
出典: ユラレル/作詞:みゆな 作曲:TSUGE
歌詞前半で繰り返される安定しない気持ちが伝わってきます。
社会が決めた道を進めないもどかしさを殺して、4行目のように少女は助けを求めました。
するとどうでしょう?
周りの大人や友達は見て見ぬ振りをしたのです。
「何言ってんの?」そんな言葉が聞こえてくるよう。
少女は傷つき、光を失ってしまいそう。
苦しくて、苦しくて、わかってくれないとわかりつつも助けを求めました。
やっぱり思った通り…周りの人たちはわかってくれません。
求めても、叫んでも、自分は社会とは関わることが出来ないと知らされました。
そう。もう傷つきたくない少女は、この社会にさよならを告げたのです。
満たされない欲求
錆びついた僕を
oh oh oh oh
誰かが
磨いてほしいよ
出典: ユラレル/作詞:みゆな 作曲:TSUGE
サビの後半、少女は崩れ落ちます。
まるで奈落の底に突き落とされるようです。
そしてまた自分1人の世界を彷徨います。
人間が自分の存在を確認出来る方法はこの世でただ1つしかありません。
それは社会の一員として生きること、つまり他人と関わることです。
他人との、社会との関わりを捨てた少女は錆びついたようにその輝きを失っていきます。
関わりたくない、でも磨いてほしい。
矛盾すればするほど、少女は欲求不満に陥り、そして自分の存在すらわからなくなっていくのです。
ここではその苦痛な叫びが聞こえてくるようですね。
2番Aメロの歌詞とMVの映像
1番と2番の間奏中にMVは動きを見せます。
病院のベッドに横たわるみゆな。
そしてそのベッドごと、街や地下道を走り出すのです。
このシーンは心が病んだ状態で、信じられる人が誰も存在しない社会をさまよう少女を表しています。
カラスの声が
響き渡って
何も聞こえない
笑顔を見せて
吐き気が襲う
そんな夕方
出典: ユラレル/作詞:みゆな 作曲:TSUGE