噂話が繰り広げられる
聞イテ 聞イテ アノ子ノ噂 内緒内緒
どうぞ
他人の不幸は蜜の味
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
ここでも本人に分からないように噂話をしているようですね。
初音ミクの声の作り方が非常に上手で、 思わず引き込まれる部分。
そしてどうやらその噂話は誰かを「不幸」にする内容のようです。
誰かを落とすことで安堵感を得ようとする心理なのでしょう。
劣等感やコンプレックスが強いと必要以上に不安感が湧きやすいです。
そのため、誰かの評価を下げ、自分より不幸になってもらうことで安心感を得る…。
これが悪口や噂話の心理なのだと思います。
一瞬不安がやわらいだとしても、これではずっと幸せになれそうにないですね。
集団を寄生する草木に比喩
愛も不確かなユートピア
鬼遊びしましょ 宿り木のポエット
こんなママゴトに生る
根腐れの笑顔 値打ちなんてない
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
難しい表現が続きますね。
言葉の意味から解釈して行きましょう!
「ユートピア」は楽園。
皆で誰かを陥れて幸福感を得ている状態のことでしょう。
「鬼遊び」は鬼ごっこ。
誰か特定の人を「鬼=悪人」に仕立て上げることだと思われます。
「宿り木」は他の木に寄生する草木。
人の価値を下げることでしか幸せになれない人たち。
つまり自分自身では自分の価値を生み出せない「他人に寄生した状態」といえます。
これを植物に例えたのでしょう。
「ポエット」は詩人。
噂話のことを「詩」に例えたのでしょう。
特に語源となる「ポエム」は空想的な意味合いのある言葉。
現実味のない噂話という意味なのでしょう。
そしてこれらの一連の行為はただのお遊びで、価値のないものだと言っています。
この上ないハッピーがバッドエンドへ導く
今日嫌われないため
輪になってあの子を嫌いになるの
排他 排斥 的当て
打ち抜いてしまえば 次は誰の番?
メリーバッドエンド
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
常に誰かを陥れないと成り立たない集団は、次々とターゲットを変えていきます。
自分がターゲットにならないために誰かをいじめる。
そしていじめられた人が潰れたら、次のターゲットを決める。
続けていたらきりがないことですが、当事者たちはなかなか気づかないものです。
自分の内側に目を向けるだけの余裕がないのかもしれませんね。
誰かを攻撃している間は幸福感に満たされ、この上なく「ハッピー」なのでしょう。
しかし最後にはタイトルでもある「メリーバッドエンド」を迎えます 。
「メリークリスマス」の前につける「メリー」は「愉快、楽しい」などの意味。
それに真逆の「バッドエンド」をつけるのが皮肉ですね。
自分たちが「ハッピー」だと思っているのが実は「バッドエンド」。
最後の高笑いが皮肉さを増幅しています。
移り変わるターゲット
今日も優雅に行われる誹謗中傷
嫌いを100と40字 カギ付きの心 言葉のナイフ
お茶会のパスワード 同調の返答かお気に入り
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
SNSにログインしては匿名で誹謗中傷して、同調し合って楽しんでいる。
そんな状況を表現しているようですね。
優雅な言葉を使っていますが、その行為は美しくない印象を受けます…。
背中についたレッテルと 実用的価値の値踏み合い
あれとこれは及第点 それの立ち入りは禁止する
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
これは「あの人は○○だから××」みたいに、決めつけた状態を指し示しているのではないでしょうか?
「及第点(きゅうだいてん)」とは、合格ラインの点数という意味。
本来は人に合格も不合格もないですよね。
自分は自分だし、人は人。
他人と自分を比較したり、値踏みしたり、何かを禁止する必要は本来ないはずです。
とまれ とまれ このゆびとまれ
とまれ とまれ このゆびとまれ
とまれ とまれ なかゆびとまれ
かわいいあの子は蚊帳の外
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
劣等感を掻き立てる相手を仲間外れにしているのでしょうか?
可愛い子がいると自分の存在が揺らいでしまうのかもしれません。
しかもとまれと言っているのは「中指」…。
いい意味で中指は立てないですよね。