YUKI【センチメンタルジャーニー】
2001年に、バンドJUDY AND MARYが解散。
その翌年からソロ活動を始めたYUKIは可愛らしいのにどこか芯のある人柄と楽曲が魅力的です。
そんな彼女は2017年に15周年を迎え、これまで数多くのシングルとアルバムをリリースしてきました。
今回はその中から、ソロデビューから1年後にリリースした【センチメンタルジャーニー】をお届けします。
収録アルバム
今回ご紹介する【センチメンタルジャーニー】は、2003年にシングルとして初リリース。
その後、同年にリリースされたアルバム「commune」にも収録されました。
両者のジャケット写真がとても似ているので、どっちがどっちか混乱してしまうかもしれません。
その後ろに数人、YUKIと同じ服装と髪型をしている人たちが並んでいるのがアルバムの方です。
ちなみにこのそっくりさんは、2003年第2弾目のシングル【ハミングバード】のジャケットでも使用。
3つのジャケットを合わせて1つのコレクションとして並べても素敵です♪
また2007年リリースのベストアルバム「five-star」でも【センチメンタルジャーニー】は収録されています。
そちらも合わせてチェックしてください!
楽曲のテーマと主人公
旅立ち、そして青春からの卒業
この楽曲のテーマは「旅立ち」。
主人公は生まれ育った町から今、旅立とうとしています。
慣れ親しんだ場所。安心できる家族。
大好きな友達。そして、恋をしていた人に別れを告げる真っ最中です。
それは青春からの卒業ともいえるでしょう。
恋人との最後の時間
1つだけ捨てきれないもの
おそれないで感じよう
ムダなものは 捨ててゆこう
照れながら イエスタデイ
歌えば こぶしの花
言えなかった言葉を
くり返しては 苦笑い
桃色のホホに 口唇 近づけてみてよ
それは、青い春
出典: センチメンタルジャーニー/作詞:YUKI 作曲:松浦友也
春、就職や転職そして引越しなど、人は色々な場所から旅立っていきます。
そこにはワクワクもあるでしょうが、不安も同じくらい浮かんでくるもの。
しかし、主人公はまだ若いからか不安も恐怖も捨てるだけの度胸があります。
きっと寂しい気持ちより、これから先の人生に希望を持っているのでしょう。
ただ1つだけ、主人公にはまだ捨てられていない感情があります。
それは恋人への想い。
本当は「別れたくない」と言いたかったのかもしれません。
けれど、遠距離恋愛には耐えられないと思った主人公は別れを選んだのでしょう。
歌をうたったり、手をギュッと握りしめたり…。
そうやって悲しい気持ちを抑え、恋人と別れの時間を過ごしている様子が伝わってきます。
最後の行に描かれているように、それはまさに「青春」です。
電車の窓越し
野生の鳥 乱れて飛び
いつか また うちへ帰ろう
追い風に乗り 終わらぬ旅
線路の花 ゆれているよ
逆さまに愛してるって 言われたら、涙がホロリでたよ
出典: センチメンタルジャーニー/作詞:YUKI 作曲:松浦友也
とうとうお別れの時間。
別れの瞬間、一斉に空へと飛び立つ鳥をみて主人公は勇気をもらいました。
自分や友達そして恋人も、鳥と同じように自由にそれぞれの道へと飛び立つ時がきたのです。
けれどそれが永遠のお別れかといったら、そういうわけでもありません。
いつかはまた同じ場所に辿り着くかもしれない。
そんな希望を胸に主人公は、新しい場所へと進む決心をしました。
最後の行に出てくる、逆さまの「愛してる」は電車の窓越しに恋人が書いた言葉でしょう。
電車に乗り込んだ主人公から見れば、恋人が書いた文字は逆さまに見えるのです。
いつもと変わらないおっちょこちょいな恋人。
だからこそ愛おしさを感じ、主人公と同じように涙が溢れそうになるフレーズです。