ほつれたマフラーの
隅っこをくわえて
野球のこととか考える
出典: マフラー/作詞:塩塚モエカ 作曲:塩塚モエカ
ここでタイトルが登場しました。
防寒具を身に着け、スポーツに関心があることから、男性は普通の人間。
さすがに冬鳥の擬人化と解釈するのは飛躍が過ぎたようです。
男性は引っ越したのでしょう。
女性にとっては、これまで同じだった生活拠点を離れる男性が渡り鳥のように感じられたわけです。
ただ、俯瞰する主人公の視点もあるので、むしろこちらと重なる可能性も否定はできません。
そうなると男性も女性も主人公の分身、冬鳥に自分を重ねて、思考を飛ばしているとも解釈できそうです。
いずれにしても登場人物の人物像が曖昧なままなので、歌物語の縦糸や横糸が乱れています。
あるいは男女のラブストーリーと捉えるならば、「2人の別れ」を「防寒具の毛糸の乱れ」で表現している。
そんな解釈になります。
つまり曲名の意味は、毛糸の編み物のような人間関係。
上手くつながることもあれば、バラバラに離れることもあります。
裏テーマとして北欧シューゲイザーへのリスペクトも考えられるでしょう。
2番の歌詞はこちら!
僕らとは誰のこと?
今夜も新しい日が
僕らを待ちわびて
出典: マフラー/作詞:塩塚モエカ 作曲:塩塚モエカ
防寒具の毛糸の乱れのように、何もかも曖昧なまま今度は「僕ら」が登場。
ひとまず登場済みの「男性と女性2人」を表していると解釈できそうです。
新たな展開を期待しましょう。
昔の仲間を回想?
色褪せていく思い出も
沢山あるけど
出典: マフラー/作詞:塩塚モエカ 作曲:塩塚モエカ
要するに、昔の仲間を回想していた。
そういう話のようです。
塩塚さんが過去を振り返ることで、リスナーも人間関係を思い出せます。
つまり曲名は人間関係、美しい冬鳥は回想を表現していたようです。
君とは誰のこと?
君=彼、主人公=彼女
君は今遠くの町で
あの日々をアルバムに閉じ込めて
ぼやけた頭の隅っこの空白で
テレビのこととか考える
出典: マフラー/作詞:塩塚モエカ 作曲:塩塚モエカ
最後に登場したのは「君」です。
冬鳥が飛ぶように、防寒具の毛糸が乱れるように、あれこれ想像が膨らみましたが、ここで終結!
主人公と女性は同一人物、「君」は男性、「僕ら」はおそらく元恋人同士の2人でしょう。
女性主人公は、最初に自分を客観視して「彼女」と表現したわけです。
そして寝る前、冬鳥のようにどこかへ行ってしまった男性のことを回想。
もしかしたら男性の引っ越し先が寒い地域だったのかもしれません。
男性は過去を記憶に留めつつ、何気ない日常生活を送っているに違いない。
そんな女性主人公の夢想でした。
寝たら忘れる夢想
美しい
町は今
君は今
眠る頃、眠る頃
出典: マフラー/作詞:塩塚モエカ 作曲:塩塚モエカ
そろそろお休みの時間です。
寝る前の夢想は、寝たら忘れる。
そういう結末でした。
詩的な夢想だったといえるでしょう。