BUMP OF CHICKEN
活動し始めて20年以上、様々なアニメやドラマのオープニングテーマを手がけ、幅広い年齢層に支持されている4人組ロックバンド「BUMP OF CHICKEN」。
自然と耳に入ってきて口ずさみたくなるようなメロディと、現代社会に生きる人へ向けた共感しやすい歌詞も彼らの魅力のひとつです。
メジャーデビューした当初はあまりメディアに出ないバンドとして、少しミステリアスでクールな印象をまとっていた彼ら。
ここ数年ではライブ活動や初音ミクとのコラボ等積極的にメディアにも出始め、2015年に初の紅白出場を果たしています。
彼らの代表曲として外せない曲と言えば、やはり「天体観測」ですね。
しかし、今回ご紹介するのはその「天体観測」と同年にリリースされた4thシングル「ハルジオン」。
少し憂いを帯びながら疾走感のあるロックナンバーです。その歌詞の意味を考察していきます♪
歌詞完成のきっかけは、ある人の夢!?
この曲の歌詞は実はバンドのボーカルである藤原基央さんが見たある夢から考え出されたものだそうです。
ある日、彼は自分の部屋にいる夢を見ます。
みなさんも日頃様々な夢を見るかと思います。
空を飛ぶ夢やロボットに乗る夢、夢の中ではどんなことだって出来ちゃいますよね。
彼はその自分の部屋に、「ブリキのジョウロ」がころんと転がっている夢を見たそうです。
それだけ聞くとそんなに特別な夢ではないような気もしますが、彼はそこからインスピレーションを受けて歌詞を構築させていきました。
長い時間をかけて作り上げられた歌詞
なんと歌詞完成には約5ヶ月もの時間がかかったそうです!
先ほどの夢の内容は彼の想像力を掻き立てる程の力があったのでしょう。
長い時間をかけて彼の頭の中で練られたその歌詞には強いメッセージが込められており、心に訴えかけてきます。
その歌詞の内容について、深く考察していきましょう♪
ただ咲き誇る白い花
虹を作ってた 手を伸ばしたら 消えてった
ブリキのジョウロをぶらさげて 立ち尽くした 昼下がり
名前があったなぁ 白くて 背の高い花
視界の外れで 忘れられた様に 咲いてた
色褪せて 霞んでいく 記憶の中 ただひとつ
思い出せる 忘れられたままの花
出典: ハルジオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
ジョウロは植物に水をあげるための道具なので、ボーカルの藤原基央さんはブリキのジョウロからある「花」をイメージしたそうです。
その花とは曲のタイトルにもなっている「ハルジオン」です。
「追想の愛」の花言葉を持つこの花は、白い花びらが特徴的な花です。
最初の歌詞では夢で出てきたブリキのジョウロを持った人物が描かれています。
ジョウロの水で虹を作っていたけど、それはすぐ消えてしまう、少し儚い情景を歌詞で表すところから始まっています。
そしてそのハルジオンという花をその人物は忘れているというのが歌詞から分かります。
忘れているのはその花の「名前」であって、どこかで確かに咲いていたというイメージは思い出せるということがこの歌詞から分かります。
どんな状況であっても
いつだったっけなぁ 傷を濡らした あの日も
滲んだ景色の中で 滲まずに 揺れてた
いつだったっけなぁ 自分に嘘をついた日も
正しいリズムで 風と唄う様に 揺れてた
いつの日も ふと 気付けば 僕のすぐそばで
どんな時も 白いまま 揺れてた 誰のタメ? 何のタメ?
出典: ハルジオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
その白い花はどんな状況であっても、しなやかに揺れています。
傷ついて涙を流した日も、本当の自分に背を向けてしまった日も、しっかりと咲き誇っています。
ここまでの歌詞でこの花には少し強かな印象を受けますね。
この花が象徴するものは一体何なのか、一体何故咲いているのか?
ここで問いかける歌詞が出てきます。
そう、この曲はどんなときでもその人の中に咲き続ける「ハルジオン」の正体を探っていく内容になっているのです。
自分が折れてしまいそうな時に
ここからサビの歌詞になります。
生きていく意味を 失くした時
自分の価値を 忘れた時
ほら 見える 揺れる白い花
ただひとつ 思い出せる 折れる事なく 揺れる
出典: ハルジオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
ここでもその花の強かな部分が描かれています。
社会人としてしっかり働いている方々、アルバイトをこなしながら大学生活を充実させるために精一杯活動している方々いらっしゃると思います。
一生懸命に全力で物事に取り組んでいる時、衝突や摩擦は避けられないものです。
時には自分の価値さえ否定されてしまう時もあるかもしれません。
自分が折れてしまいそうな時でも、折れることなくただ揺れているこの花は一体なんなのでしょうか?
次の歌詞を見ていきましょう。